元新聞記者が描いた小樽の街並み 文学館企画展


DSC06157.jpg 「名所旧跡をたずねるだけが旅じゃない」。元新聞記者が1970年代に小樽赴任中に描いた、ごく普通で日常的な小樽の街並の絵画を展示する企画展「小林金三画展・小樽 街と家並み」が、4月5日(土)から6月8日(日)まで、市立小樽文学館(色内1)で開かれている。
 元北海道新聞社記者の小林金三さん(84)は、1973(昭和48)年に小樽に足を踏み入れた。まだ、有幌の倉庫群が息づき、整備される前の小樽運河に倉庫がぴったり密着していた時だ。
 「小樽は“顔の見える街”であった。街の至るところに“宝石”がキラメいていた。小樽が居住建造物の宝庫で深い感動にふるえ、建造物のたたずまい、商都だっただけに、出窓や軒下にさりげなく高度な細工がほどこされている。絵心がふつふつと沸いた」 と、在任中の1年10ヶ月、街を歩いては街頭での制作にのめりこんだ。
DSC06151.jpg この後の10年間で有幌の倉庫群や建物が姿を消したが、「それでも残っていた“宝石”は少なくなく」、退社後も小樽に通って夢中になってスケッチし、個展を開き、画集をまとめた。
 この小林さんが描いた小樽の街並みが約60点、市立文学館で展示されている。淡い水彩画とデッサンで描かれた石山中学校から手宮を見た風景や、手宮線の裏の家々、色内・稲穂・花園町にあった建物などが並ぶ。小林さんのエッセーも添えられている。
 市内在住の主婦は、「本当に懐かしいわ。昔、通った道が描かれていたり、当時を思い出すわ」 と1点1点じっくり見つめていた。
 企画展「小林金三画展・小樽 街と家並み」は、4月5日(土)から6月8日(日)まで。
 企画展 「小林金三画展・小樽 街と家並み」