1979(昭和54)年夏の甲子園で、延長18回にわたって死闘を演じた、箕島(和歌山)×星稜(石川)の試合が、小樽市営桜ヶ丘球場(花園5)で再現されることになった。
今年、北照高野球部が創部100周年を迎えることから、河上敬也監督が2校を招待し、6月14(土)・15日(日)の2日間で記念試合を開催する。
北照高野球部は、1908(明治41)年、当時の私立小樽商業高校で発足した。全道大会では北海中学に敗れ、支部大会では樽中(現小樽潮陵)にも敗退するなど、弱小チームでのスタートだった。
1951(昭和26)年に、野球部の基礎を作った長谷川博監督が就任。1955(昭和32)年の夏季小樽支部予選で戦後初の優勝。1960(昭和35)年の秋季北海道大会で惜しくも準優勝となり、翌1961(昭和36)年の高校野球大会で選外優秀校(補欠校)として出場した。
この後、1981(昭和56)年、現在の河上監督が就任したが、翌年には壁にぶつかり、修行のため簑島の尾藤公監督の門をたたいた。指導者としてのレベルアップを目指し、その後も修行に出た。そこで星稜の山下智茂監督とも出会った。
高校野球のいろはを学んだ監督は、1991(平成3)年に念願の甲子園初出場を成し遂げたが、結果は1回戦敗退となった。この後、屋内野球場が完成し選手強化に取り組み、今では小樽の強豪校として北海道トップレベルの地位を得て、甲子園出場春2回・夏1回の戦績を収めている。東京ヤクルトスワローズや広島カープ、読売ジャイアンツ、北海道日本ハムファイターズなどにプロ野球選手6人を輩出してきた。
この北照高野球部が、今年創部100周年を迎えることから、河上監督が、「両校の指導を受けたのでそのお礼に」 と招待試合を申し入れたところ、6月14日(土)・15日(日)の2日間で実現することになった。たまたまお願いしたところが箕島と星稜で、1979(昭和54)年夏の甲子園の再現となったとしている。
6月14日(土)は、9:00に開会式を開き、野球部の基礎を作った長谷川前監督に感謝状と記念品の贈呈を行うことにしている。試合は9:30からで、第1試合は北照×箕島、第2試合が星稜×箕島、第3試合は北照×星稜となっている。17:30~18:30には、小樽グランドホテルで、延長18回まで闘った当時の尾藤と山下の2監督の記念講演を予定している。15日(日)は、9:00から北照×星稜の1試合となっている。
創部100周年記念事業実行委員会の野球部OB会・浅井茂会長は、「この記念試合は、高校野球のため入場料をとることが出来ないので、市内各企業さんなどから協賛金や広告を得て、なんとか事業にかかる325万円の費用を集めたい」 と協力を求めている。
◎熱球スタジアム-夏の甲子園名勝負(箕島×星稜)