飲み物を片手に、小樽のガラス工芸作家からガラスの魅力や奥深さを聞き、ガラスについて素朴な疑問をぶつける「第3回ビズ・サイエンスカフェおたる」が、3月23日(日)13:30から、利尻屋みのや不老館(堺町1)で開かれた。
ビズ・サイエンスカフェは、飲み物を片手に気軽に科学の話を楽しむ。今回は、市内ガラス工房「ケーズブローイング」の安井顕太代表をゲストに迎えた。「小樽ガラス誕生の瞬間」 と題し、ガラスの不思議や魅力について講演した。
安井さんは、参加者約40名を前に、「ガラスを創ること自体は、技術を身に付けることで誰でも出来ることだと思う。ただ、吹いて創ったばかりの温かいガラスを冷やす除冷炉(じょれいろ)に入れるタイミングが大切。タイミングを間違えると、壊れてしまうので、この勘が分からないと、ガラスでご飯を食べていけなくなる」 と、ガラス創りの難しさを語り、ガラスで創った書道の道具など様々な作品をスライドで紹介した。
参加者たちは、利尻屋みのやの昆布茶を飲みながら、「ガラスの難しさ、面白さは」、「窯は1年間火を入れたままなのか」、「2つの色を混ぜると科学反応で変わるのか」 などと質問。
「ガラス創りの難しさは、短い緊張感の中で、どれだけ慎重に作業が出来るかがだ。窯も休みが必要で、数ヶ月に1回、普通は4日間休ませて、中の壺などを取り替えたりする。うちは、観光客などに工房を開放して製作体験をやっているので、徹夜で作業して休みを2日間に短縮している。色を混ぜると科学反応で変わることがある」 と答えていた。
この後、ガラス創りのために必要な道具を細かく紹介し、ケーズブローイングで働く若手ガラス職人の本音を聞くコーナーもあった。最後に、参加者たちが同工房に会場を移し、ガラス職人たちの製作実演を見学。「小樽ガラスの誕生の瞬間」に釘付けとなっていた。
ビズ・サイエンスカフェおたる事務局では、今後も小樽の技術者や研究者をゲストに招いて、2~3ヶ月に1度開催したいとしている。
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