北海道で最初に建設された幌内鉄道の起点・旧国鉄手宮線跡地の活用策を探る懇話会が、2月26日(火)に設置された。
「旧国鉄手宮線活用懇話会」(中松義治座長)は、小樽市中心市街地活性化協議会、北海道旅客鉄道株式会社、小樽商工会議所(女性会)、株式会社エフエム小樽放送局、社団法人小樽観光協会、小樽まちづくり協議会、小樽雪あかりの路実行委員会、おたるいか電祭り実行委員会、地元市民、小樽商科大学学生の10団体15名とオブザーバー(小樽市2名)からなる。
旧手宮線は、旧交通記念館からJR南小樽駅まで。このうち、中央通~寿司屋通の510m区間は、市が、2001(平成13)年度に5,200万円で取得し暫定整備した。中央通~旧交通記念館の1,160m区間は、2006(平成18)年度に1億7,900万円で購入した。
この懇話会では、これら旧手宮線の「可能性のある活用の方向性」を1年間検討。旧手宮線活用計画案の参考として活用されることになる。
26日(火)13:00から、第1回懇話会が市立図書館2階で開かれた。委員17名のうち12名が参加し、事務局(市建設部)が用意した資料をスクリーンに映し出し、旧手宮線の現状などについて発表された。
同線は、幌内炭鉱で産出された石炭を小樽港から全国に搬出するために敷設され、1880(明治13)年に手宮~札幌間で開通した。1909(明治42)年に手宮~小樽(現南小樽)間が「手宮線」となった。1962(昭和37)年に旅客営業停止、1985(昭和60)年に廃止した。2001(平成13)年には、市が用地を購入し、中央通から寿司屋通までの510mを、輸送機関としての可能性を残しながら散策路へと暫定整備した。
これら説明を受けた委員からは、「道路も線路も滑走可能な車両(DMV)を、SLの装飾にして手宮線を走らせ、環境にも優しい観光のスポットとしてはいかがか。沿線に桜を植えることはどうか。財政の厳しい小樽にどれだけ圧迫をかけるか分からないが、これから議論したい」
「整備することがすべてよしというわけではない。用地を買ったから何かしなきゃというのも分かるが、新しく取得したところは、街の中なのに自然があり、市民も観光客も線路の枕木を散歩している。お金をかけるよりも、ナチュラルガーデンをイメージしてほしい」
「採算が取れないかもしれないが、鉄道を走らせたい。年1回でも、鉄道祭りのイベントを作ったら、鉄道オタクも多いので魅力的では」 などと様々な意見が飛び交った。
オブザーバーの市は、「手宮線は、小樽市民にとって誇りを持てるもので、良いムードを感じさせる。この魅力をどうやって活かすか。市民の手づくり、手弁当でつくるプランなど、色々な提案が議論される必要がある」 と、今後、1年間、懇話会を開き、旧手宮線の活用策を検討していく。
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