市内5会場に飾られた雛人形を訪ね歩く「第一回小樽雛めぐり」が、2月20日(水)から始まった。
小樽雛めぐりは、「蔵の人形ギャラリー・瀧本」(入船1)の進藤幸正代表取締役の呼びかけで、今年、初めて開催された。喫茶店「游心菴」(堺町3)、市立小樽文学館(色内1)、小樽市総合博物館(手宮1)、総合博物館運河館(色内2)の計5会場で行われている。
かつて小樽(明治~大正)では、住吉神社例大祭の時期に、入船町界隈の軒先にお宝を飾る風習「屏風かざり」があった。家々の自慢の調度品や雛人形が飾られ、道行く人を楽しませていたという。
「この小樽の当時の繁栄ぶりを屏風飾りに学び、多くの市民の皆様に雛人形を通して小樽の伝統文化や暮らしに思いを寄せることが出来れば」(進藤代表取締役) と“小樽雛めぐり”を開催した。
「蔵の人形ギャラリー・瀧本」では、大正、昭和初期の雛人形のほか、昨年10月修復した旧住吉中学校の御殿飾りなど約20種類を展示する。御殿飾りは、幅180cm・高さ95cmの書院造に収められ、二条城の二の丸御殿を模した造りの三つ棟からなる。漆塗りの御殿に龍や鶴などが本金の蒔絵で描かれ、15体の人形が並ぶ。歴史的、工芸的にも価値があるもの。
昨年10日間、旧暦の重陽の節句に合わせて展示したところ、多くの人から好評を博し、展示期間が終了しても見に来る人が多かったため、このイベントでも展示することになった。
人形展示のほか、2月20日19:00から大人の雛まつりワイン会(参加費4,000円・先着20名)、3月1~3日に甘酒サービス、2日に手づくりつるし雛製作体験(参加料1,000円)などのイベントも用意している。
「游心菴」では、江戸時代から昭和初期までの雛人形を並べる。3月2・3日に手作り桜湯のサービスもある。
総合博物館本館と運河館、文学館では、七段飾り、御殿飾り、江戸時代や昭和初期の雛人形を展示する。文学館では、3月1日に抹茶とお菓子無料サービス。運河館では、3月2日にお茶会、和装の着付けと雛段前での写真撮影がある。
「和の心を取り戻すイベントとして企画した。歴史的建造物に支えられている小樽観光に、古い文化・歴史を訪ねるこの雛めぐりを新たな観光として打ち出し、観光資源のひとつにしたい。小樽市内にこの企画を広げ、各地で雛人形が飾られるようにしたい」(進藤代表取締役)と話している。
蔵の人形ギャラリー・瀧本に訪れた西村朝江さん(59・桜)は、「雛人形を見ているだけて春が来るという気持ちになる。毎年見てもウキウキする。心が本当に温まる。この雛めぐりイベントで、色々なお雛さんが見れるので楽しい」 とじっ
くり見渡していた。
第一回小樽雛めぐりは、3月3日(月)まで。
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