没後75年、奥沢墓地で「多喜二祭」開催 

takijifes.jpg 当時の特高警察の拷問で29歳の若さで亡くなった、小樽出身のプロレタリア作家・小林多喜二の没後75年を偲ぶ「多喜二祭」が、20日(水)、市内奥沢墓地(奥沢5)や市民センター・マリンホール(色内2)で開かれた。



 「墓前祭」は、13:30から冬晴れの奥沢墓地で行われた。墓地の奥まった場所に静かに眠る多喜二の墓前には、市内・道外などから約130人が参列した。非業の死をとげた多喜二の墓前に、次々と真っ赤なカーネーションを捧げた。
takijifes3.jpg 寺井勝夫・小樽多喜二祭実行委員長は、「多喜二が亡くなって半世紀をはるかに超えているが、多喜二の志した訴えは、多くの人の共感を得ている。未来をつくる若い世代に、新たな希望と勇気を創りだしたい」 と挨拶し、没後75年の小林多喜二を偲んだ。
 多喜二の母校の小樽商科大学(緑3)で、16:30から、「蟹工船エッセーコンテスト」(小樽商大・白樺文学館多喜二ライブラリー主催)の授賞式が行われた。
 コンテストは、25歳以下の青少年層を対象に行われ、マンガの蟹工船と原作の読書感想エッセーを募集した。応募作品は海外からもあり、総計117件にも及んだ。
takijifes2.jpg 授賞式には、入賞者17人のうち15人が参加。小樽商大の秋山義昭学長は、「多喜二は、在学中図書館に通い、文学書を読みふけっていた。書き込みもしたりして、最近では話題になっている。おそらく、この場所から石狩湾を一望しながら、仲間たちと文学について話していたのだろう」 と挨拶した。選考委員長の講評や懇談会の場も設けられ、入賞者や選考委員など関係者たちが、会話を弾ませていた。 「蟹工船」エッセーコンテスト選考会 
 18:20からは、「多喜二をかたる夕べ」(市民センター)が市民センターで開かれ、コンテスト入賞者と選考委員が、「若い人は蟹工船はどのようにとらえられたのか」を熱く語った。
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