2月18日(月)午前、張碓に生息するニホンジカ一頭が、海岸沿いに小樽市街に迷い込んだ。
警察・保健所などが出て、このシカを市内中心部の色内の住宅地に追い込み、“大捕物”の末、13:10に、ようやく捕獲に成功した。
市街中心部に迷い込んだニホンジカは、枝分かれした立派な角を持つ推定4歳のオス。市内張碓の春香山に生息しており、張碓から築港、堺町、港町など約15kmを点々と移動し、次第に市街中心部に迷い込んだ。
自由気ままに進むニホンジカを小樽警察署のパトカーが追跡し、昼頃、ようやく、龍宮通り沿いの東医クリニックと色内薬局(色内2-17-2)の建物の間に追い込んだ。
駆けつけた警察官が、大きな木の板で両出口をふさぎ、獣医による麻酔注射を打つタイミングを狙った。クリニック駐車場の窓から身を乗り出して、首に縄をかけようと試みるが上手くいかず、ニホンジカとの駆け引きが約1時間ほど続いた。
その後、ようやく麻酔注射を打つことに成功。麻酔が打たれ、バタバタと暴れていたシカも、麻酔が効いてようやく静かになった。13:10、市保健所と北海道鳥獣犬保護員らの手によって保護され、小樽市犬管理所(長橋1)に搬送され、牡鹿の半日の迷走が終わった。
北海道鳥獣犬保護員の富樫敏雄さんは、「麻酔の効き目がなくなってから、少し様子を見て春香山に放獣したい」 と話していた。
市内では、2、3年前に望洋台、昨年にオタモイでシカと車の接触事故が発生しているという。しかし、今回のように市内中心部の住宅街まで現れるのは極めて珍しい出来事。迷走するシカが市街に現れるのは、小樽市周辺の自然の豊かさを示している。
なぜ、このニホンジカが小樽の自然豊かな山野からにぎやかな市街地に現れたのかは、大雪によって、山で餌を求めるのが難しくなり、市街地まで餌を求めてやって来たものと、関係者は推定している。