普段は穏やかな小樽港色内ふ頭に、警告のサイレンや乾いた銃声が響き渡った。
1月11日(金)10:00から、小樽海上保安部(港町5・山口晴久部長)のテロ対応海上警備訓練が実施された。
同部は、今年7月に開催される「北海道洞爺湖サミット」に伴い、サミット会議場付近海域からのテロ行為を想定し、巡視船しれとこ(特別警備強化指定巡視船)による訓練を行った。
訓練には、約50名の隊員などが参加。警備救難艇をテロ船に見立て、高速ゴムボート2隻によって、停船命令や規制・制圧を実践さながらに展開した。
港内の見回りをしていた同部の高速ゴムボート2隻から、警告のサイレンが鳴り響く。「止まりなさい」と停船命令が流れるが、テロ船はこの警告を無視して、高速で逃げ去った。海上保安の高速ゴムボート2隻は、全速で逃げようとするテロ船に向かって、警告弾を投げつけ、大きな水柱が上がった。それでも、テロ船は停船せず、銃弾を発砲する。隊員たちは、直ちに銃を構え、「パンパン」と乾いた銃声を海上に響かせ、反撃した。銃弾が、テロ船のエンジンに被弾するや隊員たちがテロ船に乗り移り、両手を挙げて降伏するテロリスト3人の身柄を確保した。
小樽港色内ふ頭で繰り広げられた実践さながらの訓練に、ふ頭の釣り人たちもビックリ。「迫力あるな」などと話していた。