小樽の鉄道施設・越中屋ホテル 「近代化産業遺産群33」に!


 経済産業省の「近代化産業遺産群33」に、小樽市内にある旧手宮線鉄道施設や旧越中屋ホテル、北の誉の酒蔵など16ヵ所が11月30日に認定された。
 同省の「近代化産業遺産群33」は、全国各地に存在する優れた価値を有する産業遺産575ヵ所をまとめた。幕末から戦前の工場跡、炭鉱跡等の産業遺産などを対象としている。「近代化産業遺産が持つ価値をより顕在化させ、地域活性化に役立てる」ことを目的に、産業史や地域史を軸に575ヶ所の産業遺産を33のストーリーにまとめている。
 市内色内通り沿いにある旧越中屋ホテル(現グランドホテルクラシック・色内1)は、ストーリー5「外貨獲得と近代日本の国際化に貢献した観光産業草創期の歩みを物語る近代化産業遺産群」に選ばれた。越中屋ホテルは、北海道初の外国人客専用のホテルとして建てられた。当時の面影をそのまま残したノスタルジックなホテルとして、現在も活躍している。道内では、ホテル「豊平館」(札幌)との2ヵ所だけの認定となった。
 旧手宮線鉄道施設は、ストーリー6「我が国の近代化を支えた北海道産炭地域の歩みを物語る近代化産業遺産群」の一部に認定された。旧手宮線跡地(延長1.7km)をはじめ、機関車庫1号・3号、危険品庫、蒸気機関車「しづか号」など鉄道関連14施設が選ばれた。この鉄道施設は、小樽市総合博物館敷地内で公開されている。北海道鉄道発祥の地としての旧手宮線鉄道施設の価値が、改めて認定された。
 酒造会社「北の誉」が1902(明治35)年に建てた酒蔵(さかぐら)は、ストーリー7「北海道における近代農業、食品加工業などの発展の歩みを物語る近代化産業遺産群」に。同社は、醤油製造業を営んでいた野口吉次郎が、小樽港の発展に伴う日本酒の需要拡大と地元の良質な水に着目し、1901(明治34)年に日本酒を醸造したことに始まる。今日も北海道を代表する日本酒の銘柄であり続けていると、大きく紹介されている。酒蔵のほかに、酒造用の道具も認定された。
 市の山田厚副市長は、手宮線の鉄道施設の認定を受けて、11月30日(金)の認定証授与式(横浜)に出席した。「まちづくり遺産を大事にしなければいけない、古くなったから壊すのではなく、なんとか残して国民に意識してもらいたいと認定したと聞いた。旧手宮線が認定を受けたことで、今後の整備をどうするかの議論につながる。JTBの賞は100万円くれたのに、これは何もなくプレートだけなんだよな」と話していた。
 地域活性化のための「近代化産業遺産群33」の公表について

 旧越中屋ホテル(現グランドホテルクラシック)
 旧手宮線鉄道施設

旧手宮線画像1

旧手宮線画像2

旧手宮線画像3(雪あかり)

②旧手宮機関車庫1号

③旧手宮機関車庫3号

④危険品庫

⑤貯水槽

⑥転車台

⑦北海道鉄道開通起点

⑧旧思川鉄橋

⑨蒸気機関車しづか号

⑩い1号客車

⑪蒸気機関車大勝号

⑫キ601号回転雪かき車

⑬キ800号かき寄せ雪かき車

⑭キハ031号気動車
 「北の誉」 酒蔵(さかぐら)