どうなる新病院建設!市立病院調査特別委員会開く


hospi.jpg 12日(月)13:00から、市が進める新病院建設の基本設計中断と土地購入先延ばしの問題を論議する、市立病院調査特別委員会(成田晃司委員長)が、市役所別館第2委員会室で開かれた。
 市長、副市長、総務・財政部長、両病院長、市立病院新築準備室など、関係者が出席する中で開かれた同委員会では、市から、11月12日付の「新病院建設に対する方針」と「病院事業資金収支計画」の見直し案の資料が配布された。 新病院建設に対する方針 病院事業 資金収支計画11月12日資料
 同特別委員会では、配布された資料をもとに、基本設計の中断と病院用地購入1年先延ばし問題が取り上げられた。しかし、市側が、基本設計の中断に追い込まれているのに、今後の具体的な取組み方法を示せず、抽象的な努力目標を言うばかりで、論議は、噛み合わなかった。
 各委員は、突然に明らかになった基本設計の一時中断や用地購入先延ばしに、戸惑いながら質疑を行った。質疑の中で、新病院の基本設計の大枠のゾーニングが完成したことや、病棟の削減による人件費の抑制を目指すことなどが明らかになった。
 「土地購入の先延ばしと基本設計の一時中断で、今後の計画がどのように変わっていくのか。進行してきた基本設計は、どの段階で中止するのか。委託契約を途中で解除することで、違約金を支払うのか」(中嶋麗子委員・共産)。「基本設計は、建物の配置、外来・検査部門・病棟を建物の中にどう配置するかなど大枠のゾーニングが出来ている。中断して解約することで、違約金という形ではないが、相手方に損害を与えていれば、損害賠償ということもあり得るかもしれない」(鈴木春光市立病院新築準備室長)。
 「用地購入の20年度変更先送り、基本設計の一時中断は、方針変更だが、今後の状況によっては、市立病院計画の全面的な凍結もあり得ると考えてよいのか」(古沢勝則委員・共産)。「当然このまま進めていきたい、収支の状況が不透明な中で、状況を見ながら進めていく」(総務部・吉川勝久参事)。
 また、「6月に示された収支計画から、見直し計画の医業収益は、5ヶ年間で22億円の減収となっている。収入が22億円も減って、なぜ黒字分は維持できるのか。この5ヵ年間で職員給与費を10億円削減というが、なぜ10億円も削減することが出来るのか」と質し、「10億円の約半分程度は、病棟を減らし、病床利用率を上げて、人件費を約5億円弱を減らすことを見込んでいる。それでも約5億円足りないが、これについては、今後、具体的にどのような方向でやるのか検討する。これをやらなければ、この計画が成り立たない」(小樽病院・小山秀昭次長)と答えた。
 「当初22億円を一般会計が負担するということだったが、この5ヵ年で、4億円6,000万円増える。この4億6,000万円を、本当に一般会計が担保する能力があるのか」(濱本進委員・自民)。「平成21年から3ヵ年で繰出金を増額することは、市の財政の半分くらいを占める地方交付税が大きく左右する。もうすぐ20年度の予算編成で、国の色々な財政措置も見えてくるので、病院への繰出を見込んで見直しをしていかなければいけない」(貞原正夫財政部長)。
 「基本設計はゾーニングの段階だが、全体を100とした場合、どの程度の割合だったのか」(高橋克幸委員・公明)とし、「どのくらい設計技術者が動いてきたのかかポイントになる。今現在で何%の出来高とは判断できない」(準備室長)。
 「1病棟40床減らして看護師20名くらいを削るというが、その人件費の効果は。新病院の規模を縮小させるということになるのか」(斎藤博行委員・民主)。「今、小樽病院の看護師の平均的な給与は、一人あたり600万円程度で、600万円×20人で1億2,000万円となる。新病院の基本設計に影響はない」(病院事務局)。
 「今回、計画が遅れたことで、ひとつの時間的余裕が与えられた。もう一回量徳小に変更するということも視野に入れることも可能になったのでは」(大橋一弘委員・平成会)。「築港地区で今後も進めていきたい」(山田厚副市長)と答えた。
 新病院建設での市の大きな方針転換で、市立病院関係者の間にも、大きな動揺が走っており、鈴木隆病院長は、「今週から来週にかけて、医師や関係者らにこの状況を説明していく」と答弁し、事情説明に追われることになった。
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 ◎病院事業 資金収支計画 11月12日資料  6月18日資料