晩秋の小樽・後志を駆け抜けるSLニセコ号が、11月4日(日)最終運行を迎えた。通過する函館本線沿線には、鉄道マニアたちがカメラを構え、紅葉シーズンを疾走するSLニセコ号の雄姿を撮影するのに懸命だった。
SLニセコ号は、9月22日(土)から11月4日(日)の土日祝日延べ16日間、札幌ー小樽ー蘭越間の後志沿線を走ってきた。1941(昭和16)年生まれのC11-207号機で、カニ目のヘッドライトが特徴的。“SLニセコ号”と書いたヘッドマークをつけている。黒煙を吹き上げなら、懐かしい汽笛を響かせて疾駆する蒸気機関車特有の力強さが、多くの鉄道ファンを楽しませている。
最終運行となった4日(日)10:01、ポーッと甲高い汽笛がJR小樽駅周辺に広がり、SLニセコ号がモクモクと白煙と黒煙を吹き上げ、秋晴れの陽射しを背にして走り出した。
船見坂の船見橋や長橋の砂留トンネル周辺に、鉄道マニアやアマチュアカメラマンが、カメラに収めようと集まっていた。「秋のSLは見納め」、「毎年この場所から写真を撮ってるんだ」などと、出発を待ち構えていた。吹き上げる黒煙とともに黒色の重厚なSLが現れると、カメラマンたちは、一斉にシャッターを押しベストショットを狙っていた。
晩秋に染まる沿線を力強く走り去ったSLニセコ号は、白い雪が舞う12月に、今度はクリスマス号として小樽ー札幌間を運行する。
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