小樽市指定歴史的建造物の旧安田銀行小樽支店が、和食レストランに生まれ変わることになった。
小樽駅前中央通りと色内大通りの交差点にある旧安田銀行小樽支店(色内2)は、1930(昭和5)年に建設された鉄筋コンクリート造2階建延べ580平米で、当時の総工費95,000円をかけ、ギリシャ様式の太い4本の円柱が、正面と側面をそれぞれ飾り、窓枠の凝った装飾が特徴的だ。第2次世界大戦後、富士銀行が継承した後、1970(昭和45)年から、日刊北海経済新聞社の社屋として使われていた。1990(平成2)に市の歴史的建造物の指定を受けた。
北海経済新聞社が、昨年6月に廃刊したことで、ビル維持管理の協和総合管理株式会社(山本秀明代表取締役)が、土地建物を購入した。山本社長は、「建物が解体される恐れがあった。小樽のかつての栄華を象徴する銀行建築を何とか残したい。建物を維持していれば、なにかに活用出来ると思っていた」と、建物の保存を決めた。
その後、同社HPなどで建物の様々な活用方法を募集し、今年10月、小樽運河浅草橋街園前の運河食堂を経営するコモセン(札幌・石井力代表取締役社長)が、10年の賃貸契約を結び、和食レストラン「花ごころ」をオープンすることになった。
山本社長は、「イタリアンやフレンチのレストランに出来ないかとも考えたが、洋風の建物に和風レストランというミスマッチも逆に良いのではないか」と、女性をターゲットの中心にした「花ごころ」が誕生することになった。
現在、建物では、オープンに向けた内部造作に着手しており、11月中か遅くても12月初旬には開店する予定で進められている。
◎株式会社コモセンHP