夕張市の破綻に伴う病院再生に取り組む村上智彦医師(46)は、9月22日(土)に苫小牧のホテルニドムで開かれた、長隆氏との講演会に講師として招かれていた。
村上医師は、2006(平成18)年12月に、夕張市立総合病院へ応援医師として赴任し、その後、夕張医療センター「夕張希望の杜」の理事長として、夕張の病院再生に力を尽くしている。
講演の中で、村上医師は、自分が経験した瀬棚方式などを織り交ぜながら、夕張市の地域医療の崩壊の原因が、将来を考えない場当たり的な病院経営をする行政の不作為、地域医療は病院任せ行政任せ、医療機関はあって当たり前の住民意識、住民を見ていない公務員体質の仕事の病院職員意識の3つが問題だと指摘し、北海道の地域医療の問題点を探っていった。
住民の健康は、住民の健康意識が高ければ、医療費が減り、健康な人が増え、労働力が維持されるのではないかと、定年制を廃止し、死ぬまで働ける高齢者の雇用をつくる環境が必要と述べた。
この後、夕張での町創りや地域医療再生などを明確に示し、夕張市民が過去の繁栄のため、破綻を受け入れていないという住民意識が問題だと、夕張に類似した小樽市民にも耳の痛い指摘もあった。
村上医師は、「夕張に飛び込んだのは、自分の居ても立っても居られない性格からで、小樽は母親が生まれた町で縁が深い。自分も小樽にある北海道薬科大学(桂岡7)に6年通った。小樽は、本当に良い町だと思う。なぜ小樽がこんなに落ちぶれてしまったのか、残念でならない。小樽に新病院が必要なのか、患者は札幌に行けば良いのでは」と、市が進める豪華市立病院建設には、否定的だった。
村上医師のこの講演は、小樽市民にとっても十分参考になる内容だった。その一部を、パワーポイントからの画像でご確認下さい。