開会中の小樽市議会第3回定例会(9月市議会)で、9月14日(金)13:00から、本会議場で一般質問が行われた。各会派から7議員が質疑に立った。小樽市の最重要課題となっている新市立病院問題については、わずかに1議員が取り上げるにとどまった。
新市立病院問題を取り上げた、小樽商大院生の一年生議員・成田祐樹議員(29)は、「今年3月に小樽市マリンホールで開かれた“小樽市立病院はどうあるべきか”の講演会で話した公認会計士の長隆さんが、今回、公立病院改革懇談会の座長に就任した。長さんは、新市立病院の起債は難しいとの見解を出し、計画見直しをするほうが良いとの非常に厳しい意見を持っている。この懇談会で出された意見を元に“公立病院改革のガイドライン”が制定されるが、今後、小樽の新市立病院の起債借入れにどのような影響があるか」と質した。
山田勝麿市長は、「経営の効率化、再編ネットワーク化、経営形態の見直しの3つの視点に立った公立病院改革を推進するため、年内にもガイドラインが策定されると聞いているが、各自治体においては、地域の実情や医療機関の実態に合わせた改革プランの策定が求められる。今年度の起債借入れに、直接影響を及ぼすものとは思っていない。今後、改革プランが策定され、それにあった改革を進めていく必要がある」と、国(総務省)の進めるガイドライン策定が、小樽市の今年度の起債借入に直接影響を及ぼさないと答弁した。
さらに、成田議員は、「平成19年度の市立病院患者数が、6月に出された計画より減少し、今後も同様の減少が続いた場合、毎年15%近い患者数が減り、数年で現在の半分以下となる可能性をぬぐえない。そうなれば、当初予定された収支計画そのものが絵に描いたモチになってしまう。今後の患者数減少を食い止めるために、どのような行動をとるのか、頑張るといった抽象的な言葉ではなく具体的な手法を」と迫った。
山田市長は、「10月に内科の常勤医師1人の採用が決まっており、収支確保のため地域医療連携室の活用で、紹介患者を確保し、業務の効率化と経費削減に努め、更なる患者サービスの向上を目指す。この厳しい病院経営を打開するため、職員一丸となって収支改善に努める」と、抽象的な答弁に終始した。
共産党の中島麗子議員は、「学力テストは、子供たちのためにどう役立つのか」と質問。「義務教育の基準を確保し、きめ細かく把握し、改善を図ることを目的にしている」(菊譲教育長)。
民主党の林下孤芳議員は、「小樽駅前広場で、バス・タクシーなどの車両交通による渋滞などの改善を求める」と質問。「小樽駅前広場では、歩行者とバスやタクシー、自家用車の車両が交差し交通渋滞となっている。関係者と協議を行っていきたい」(市長)と答弁。
共産党の新谷とし議員は、「ラブホテル建築規制条例をつくるべきと思うが」と質問。「今後、基準について実態調査し、検討していきたい」(市長)。
公明党の高橋克幸議員は、「小樽市総合博物館のこれまでの状況は」。「オープン後、順調な滑り出し。今後は、教育、社会教育、観光など多様な項目について検討していきたい」(教育長)。
無所属の鈴木喜明議員は、「新病院説明会には258人の市民が参加したと聞くが、高齢者には、中々情報が伝わっていない現実がある。周知徹底に足りないものがある」と質した。「どこまでが周知されたことになるのか。かなりの人が広報おたるを読んでいるが、関心のあるところだけ読むといった傾向もある。新聞を取っていない人には、言ってくれれば郵送しているので、言ってもらいたい」(市長)。
自民党の久末恵子議員は、「財政難だが、パークゴルフ場の設置は出来ないか」と尋ね、「パークゴルフ場には、1万2,000平米が必要で、取得費用や駐車場が必要なこと、利便性、管理経費がかかり早急には難しい」(教育長)。
今後、18日(火)から20日(木)まで予算特別委員会、21日(金)に各常任委員会、25日(火)に市立病院調査特別委員会が開かれ、市議会の論戦は、各委員会に移ることになる。
◎(日程)