2003年の幕が上がった。
03年の小樽市の幕開けも、長引く景気低迷の波を受け、波乱含みの様相だ。02年には、日本銀行や三井住友銀行の小樽支店が、長年の歴史に幕を引き、小樽から撤退。さらに、物流の柱である小樽と敦賀を結ぶ新日本海フェリーが、苫小牧へと移転。
金融と物流という経済を支える重要な柱が、小樽から消えた。破たんした巨大ショッピングセンター“マイカル小樽”の今後の行方や、止まらぬ人口減少、企業倒産や失業者の増加など、小樽経済へ大きな影響を及ぼすことは、必死の状況だ。
さらに、小樽市の財政状況はすでに危険水域を超えており、税収や財源の不足で危機的状況にあり、回復のメドすらたてられない苦況へ突入している。
だが、旧日本銀行小樽支店は、今年には金融資料館としてオープンの予定で、旧三井住友銀行小樽支店も、道内の大手菓子メーカーが買収し、新たな利用に乗り出すことになっており、物流の面でも、中国への国際航路の開設などもあり、今後の小樽の進む方向に、一抹の光が見えている。
市内の中心的な3商店街のリニューアルオープンで、巨大ショッピングセンター“マイカル小樽”の浮沈で揺れていた既存商店街も、ここに来て反撃に打って出ていることも、心強いプラス要因だ。
また、花園活性化のために民間主導で行った“ドリンクラリー第1回はしご酒大会”の盛り上がりなどは、今後の小樽再生への大きなヒントを内包しているといえる。
Jリーグの観客動員数が600万に対し、小樽への観光客は900万人を数えるが、「ガラスと寿司」だけではない、新しい眼で本格的な観光都市への脱皮が迫られているといえよう。