社会保険庁の年金記録漏れ問題で、小樽社会保険事務所(富岡1・松井清晴所長)では、発覚から約4週間経ち、記入ミスや記録漏れの対応に追われている。
同事務所には、通常一日80人前後の市民が訪れるが、記録漏れが発覚してから、100~130人の市民が毎日訪れている。休日返上で土日も受け付けており、多いときで40人も訪れている。電話での問合せも毎日20~30人あり、同事務所では、「職員が毎日21:00~22:00くらいまで残業しても仕事が追いつかない」(寺井典雄次長)と話している。
発覚から約4週間、同事務所でも、記録漏れの疑いのある年金記録などが数十件発生し始めた。記録漏れの疑いのあるものは、現在、他事務所などに照会を求めており、全国的に発生した5,000万件の中の記録漏れに該当するかは、まだはっきりしないというが、職員の対応も追いつかず、何件発生しているか把握できていない状態だという。
中には、生年月日や名前の読み方を誤って登録する記録ミスなども数件発生しており、「例えば、読み方が違う場合では、本人の名前の正しい読み方の記録と、間違って登録した読み方の名前の記録を検索して、一致すればすぐに統合処理をしている」という。
本社が調査したところ、名前と生年月日、性別が間違って記入されていた人がおり、年金手帳に訂正印を押してある例もある。この人は、女性なのに男性とされ、生年月日も誤って記入されていた。すでに国民年金の受給者だが、過去に厚生年金保険に加入していた期間が23ヶ月間記入漏れとなっていたという。60歳から受け取ることが出来る年金も受け取れずに、すでに20年間が経過してしまっている。受け取れる年金は年間3万円くらいだが、5年遡るか10年遡るかは、今後の国会の審議次第だと言われ、年金手帳も再交付になった。
名前と男・女の性別と生年月日までも違えたという、三重のミスが露呈した上、厚生年金の記録漏れも発覚した。誤記入・記録漏れをされた女性は、「男になんかされて気持ち悪い。こんな例はたくさんあると思う。あまりにもズサン過ぎて、開いた口がふさがらない」と呆れていた。
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