小樽市内で一番遅く咲く大トリの桜として知られている小樽天狗山の「天狗桜」が、5月20日(日)10:00、山頂気温5℃の中で、ようやく開花した。
市街の桜はすでに葉桜へと移り変わっている中で、一番最後に開花する樹齢100年の「天狗桜」は、明治時代に天狗山山頂駅脇の広場に植えられたエゾヤマザクラ。多くの市民に親しまれ、満開時には、石狩湾や小樽市街一面を背景に見事な光景が広がる。
今年は、5月13日(日)からツボミが膨らみ始めた。暖かい陽射しを受け、ツボミは徐々に大きくなり、昨年よりも2日遅い20日(日)にようやく開花した。小樽天狗山の20日(日)のブログでは、「お待たせいたしました!天狗桜の開花を確認しました!」と開花を報告している。まだ、1分咲きにもなっていないが、「明日から気温が上がる予報なので、これからは早いと思う」と、うまく行けば満開となる日も近い。
開花した20日(日)、小樽市街を背景に残雪を脇に置き、たった1本だけ立つ天狗桜の開花を見ていた若いカップルたちは、「まだ満開じゃないね。少し花が開いただけだ」と話していた。
樹齢100年の天狗桜は、近年、花の咲きが悪かったという。このため、小樽天狗山ロープウェイを運営する中央バス観光商事では、「あんなところで花が咲くのは奇跡に近い。毎年咲いてくれるので、お金がかかっても長生きしてもらいたいから、プロに見てもらって薬を散布している」。今年は新枝も生えてきたという。
市民や市外の人、カメラマンなど多くの人が天狗桜の開花を待ち望んでおり、「まだ咲かないの」などの問合せが多くなっている。同社では、毎日、小樽天狗山ブログで《天狗桜開花情報》を更新している。