4月15日(日)告示、22日(日)投開票で行われる次期小樽市長選挙に、現職市議の森井秀明議員(34)が出馬の意思を固め、持ち前の若さとしがらみのなさで、現職ですでに3期目の出馬表明をしている山田勝麿市長(68)に、果敢に挑戦することが明らかになった。
次期小樽市長選挙では、2期目の現職山田勝麿市長が、昨年の12月4日に、自民・公明・民主の既成政党と連合小樽の推薦を受け、3期目出馬を表明していた。しかし、市長選挙まで2ヶ月近くとなっても、これまで対抗馬が一向に名乗りを上げず、前回と同じ”無風選挙”になると思われていた。
森井秀明議員は、1期4年間の議員生活で、市議会では、無党派市民党として平成会に所属し、この4年間の市議会質疑でもトップクラスの質問回数を誇り、市政の数々の疑問点について質疑を展開していた。最近では、山田市政が進める築港地区での新市立病院建設について、共産党を除いてただ一人、昨年の9月市議会で反対の起立をし、12月市議会では無記名投票での反対の意思を明確にし、山田市政の市民と市議会を置き去りにする姿勢に”一人だったが”待ったをかけた。(森井議員のブログ参照 その1 その2)
小樽市の1,300億円の巨額の借金や2年連続の赤字予算での小樽市の財政破綻についても、鋭い指摘を行っていた。
「夕張市の破綻は、許容量を超えてやり続けたこと、キャパシティを超え限界まで取り組んだことが大きな原因ではないかと思っております。今後の小樽市に置き換えるのであれば、例えば、市立病院や市営住宅を新しくしたり、新幹線が走るようになることなどは、すべて便利なことであり市民の誰もが喜ぶことかもしれません。また、退職手当を払うのも市職員への慰労の意でもあり、当たり前のことかもしれません。
しかしながら、今、小樽では、これらはすべて借金で行われているということは忘れてはなりません。その支払っていける体力がこの小樽にあるのでしょうか。そして、その支払いを求められるのは、われわれではなく、われわれの子供や孫、これから小樽に住むであろう次世代の子供たちです。彼らにはそのことに対する発言力がなく、われわれこそが、そこまで考えて政策を立てなければいけないと、夕張市を見て悟りました」(2006年9月市議会 一般質問)
山田市政は、一般会計の財源不足による実質赤字の穴埋めのため、他の特別会計が蓄えた資金や基金をすべて使い果たしている。この、他会計からの借入は、親(一般会計)が、子(他会計)が貯めた金を巻き上げた格好となっており、子供からの借金はそのまま残る。借換債による親のツケを子供の代にツケ回ししただけの一時的な赤字回避策をとっている。
今回、次期市長選に出馬の意思を固めたのは、親の借金のツケを子供の代にツケ回しをする山田勝麿市長の姿勢に怒ってのもので、「小樽に住むであろう次世代の子供たちにツケを回してはならない」との決意からだという。(関連記事より)
森井市議は、3選出馬を表明した山田市長の対抗馬が2007年に入っても一向に現れず、誰も手を上げない情勢から、「このまま小樽市が沈没し、崩壊するのを黙って見ていることは出来ない。市議会に席を置いている者として、市民の負託に応え、新しい小樽を市民とともに創り上げる仕事に全力を尽くす意思を固めた」と、7日(水)に本社記者に語った。
今後は、市民に自らの政策理念を明らかにしたマニフェストを作成し、出馬に際しては、無党派市民党としての立場から無所属で出馬し、所属会派平成会からの会派離脱の上、3月にも正式な立起表明を行うことにしている。
”無風選挙”と思われていた次期市長選に、森井議員が挑戦することで、一転して激震の様相を見せ始めた。今後、各政党や市議選でも次期市長選への態度が改めて問われる事態となり、さらに波乱要因が増すことになり、次期市長選の行方から目の離せない状況となった。
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