プロレタリア文学の代表作として知られる小林多喜二の「蟹工船」が、マンガとなって出版され話題となっている。
マンガ「蟹工船」は、藤生ゴオ氏の作画により、迫力あるタッチで漫画化され、現代に「蟹工船」の世界がよみがえった。
ロシアとの国境に、銃撃を覚悟で侵入する蟹工船――。戦争、暴力、貧困を生み出す仕組みと、虐使に耐えて人間としての扱いを求めるたたかいをリアルに描いた作品の漫画化で、劇画世代には抵抗もなく物語りに入っていける。
30分で読める大学生のために描かれたこともあって、小樽出身の小林多喜二の母校小樽商大をはじめ、いくつかの学校の教材としても使用されており、英語版や韓国版の発売も準備中だ。
「『蟹工船』という作品は、『文学』としての仕掛けに満ちた小説でもある。だから、このマンガを読んで多喜二の世界に興味を持った方は、ぜひとも、原作である小説の『蟹工船』を読むことをおすすめする」と、島村輝女子美術大教授は解説に書いている。
小林多喜二の作家としての功績を永く伝えていくことを目指している白樺文学館(千葉県我孫子市)のホームページからは、Webで読む蟹工船が紹介され、無料で読むことが出来る。
■発行所 | 白樺文学館多喜二ライブラリー |
■発売元 | 東銀座出版社 |
■A5判 184頁 | 定価 600円(税込) |
◎白樺文学館ライブラリーHP | |
◎東銀座出版社HP |