ウォルトディズニーの映画“バンビ”のキャラクター商品「バンビキャラメル」で知られる、市内若松にある池田製菓(池田道彦社長)が、経営破たんし廃業に追い込まれたことが、12月1日(金)に判明した。
“池田バンビ”として小樽市民に長年親しまれてきた池田製菓(若松2)は、創業1922年(大正11年)の老舗菓子メーカー。豆菓子・キャンディー・マコロン・キャラメル・バター飴・チョコレートなどを製造販売してきた。
中でも、ウォルトディズニーのアニメ映画“バンビ”のキャラクター商品の「バンビキャラメル」は、可愛いバンビの絵の箱に入っており、全国的な人気を博し、一世を風靡(ふうび)した。
しかし、製造菓子の多様化や競争相手がいくつも台頭する中で、新製品の開発や販売で遅れをとり、長年にわたり業績不振が続いていた。12月1日(金)に、全従業員66人を解雇し、廃業することになった。
市内勝納川沿いに建つ同社の工場は、赤字経営の苦しさを象徴するかのように、建物も老朽化し外見も寂れた姿をさらしていた。
創業80年の2002(平成14)年には、復刻販売した「バンビキャラメル」が、全国的なフィーバーを起こし、半月で15万個を売り上げることもあった。市内のコンビニ店でも、この復刻版「バンビキャラメル」は、現在でも棚に並べられているが、これも会社再建に寄与するまでには至らなかった。
国道5号に面する工場には、「本日(12月1日)は、都合により現売は休ませていただきます」という張り紙が張られ、廃業する寂寥(せきりょう)感を醸し出していた。通りがかりの市民は、「せっかくの地場産業が倒産するのは残念で、本当に驚いた。なんとか残せないものだろうか」と残念がっていた。
解雇された全従業員には、経済衰退する小樽の寒い年末の厳しさが襲うことになる。
長年にわたる小樽の地場産業として活動してきた同社の破綻が、小樽市の将来像を暗示していなければ良いのだが。