一年の集大成 高等ろう学校6名の作品展


 北海道高等聾学校(銭函1・佐藤靖典校長)は、平成30(2018)年度作品展を、2月20日(水)から24日(日)まで、市立小樽美術館(色内1)多目的・市民ギャラリーで開催している。
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 今回は、恒例となる修了作品展ではなく、同校専攻科情報デザイン科1年6名による約80点を展示発表している。
 同科は、デザインに関する知識と技術・コンピューターを活用した造形活動などを幅広く学び、その集大成を発表する場として、毎年この時期に作品展を開き、市民をはじめ、芸術家からも関心を集めている。
 パスタサーバーや組み立て式のクリスマスツリーなどの木工品を展示したコーナーでは、完成した作品よりも、これらができるまでの工程を写真などを使ってまとめたパネルも展示。
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 用意するものが細かく書かれ、写真で作り方を紹介。完成した作品は、魅力的に撮影されパネルで紹介している。
 規約に則りデザインしたLINEスタンプでは、6名の個性が光る。静物デッサンは緻密で丁寧に仕上げている。
 一眼レフカメラを持って学校周辺を散策。意図的にボケを作り表現。失敗作については原因を突き止め、カメラの使い方等を学びながら作品作りに取り組んだ。
 市民ギャラリー2では、「paper 2018 」を発表。紙をテーマにしたインスタレーション作品が見事だ。
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 この作品は、学校祭で渡り廊下に展示したものを、今回は美術館の空間を使って再現し、また違った雰囲気となった。
 折り紙の本からヒントを得て、ケント紙を使って藤の花をイメージし抽象化させた。紙を丸め大小2つの大きさで作り、それを5つずつ繋いだものを200個用意して、藤棚のように吊り下げた。ライトを当て、白い壁にはその影が濃淡で映し出され、会場でしか味わえない芸術に、来場者は注目していた。
 同科・石村翼担当教諭は、「1年の集大成の作品を、ぜひ足を運んで観てください」と来場を呼びかけた。同時に、同館・市民ギャラリー1では、同校美術部展も開催中だ。
 平成30年度作品展と美術部展 2月20(水)~24日(日)10:00~17:00(最終日15:00)
 市立小樽美術館(色内1)市民・多目的ギャラリー 入場無料
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