子どもから大人まで誰でも参加できる「たるっこ食堂」(緑1)が、2月14日(木)にオープンした。毎週火曜日開催で、10ヶ月が過ぎ地域の子ども達が集う場所に定着。子ども達で賑わっている。
元小樽市保健所所長で医師の秋野恵美子さんが管理する住宅「小樽ポッケ」(緑1)を無料で借り、子どもから高齢者まで幅広い世代が交流。大勢で食卓を囲むことで、より楽しく温かい時間となり、悩みを打ち解け合える居場所を作ることを目的としている。
毎週火曜日15:00から19:00まで定期的に開催してきた。子どもと地域の大人が一緒に食卓を囲み、社会性を学ぶ。大人500円・子ども無料。
開店当初は、周知方法に問題があり、参加する子ども達が少なかったが、その後、近隣小学校へチラシを配布するなどして周知に力を入れ、徐々に子どもの数が増えた。多い時で25名が集まったこともあったが、最近では12〜15名ほどが参加している。
中心となる小樽商大3年の白戸敬登さんは、同大の地域活性化を本気で考えるプロジェクト(本気プロ)を履修し、2016(平成28)年6月に市生活サポートセンター「たるさぽ」の協力を得て、フードバンク活動をスタート。集まった食材を活用して1日限りで「子ども食堂」へ発展させ、その後も継続的に孤食や貧困問題に取り組もうと、フードバンクや子ども食堂を運営する「CREAM」を立ち上げた。現在、CREAMには7名が所属し、調理等のボランティアの大人も9名が集まった。
しりべしなんでも百姓くらぶから、野菜や卵の米の寄贈を受け、子ども達へ調理して提供している。
12月19日(火)は、ひと足早いクリスマス会を開催。学校が終わる15:00頃から子ども達が集まり始め、12名が参加した。
商大生4名とボランティア7名が、買出しや調理準備に追われた。本日のメニューは、海鮮ちらしとスープ・かぼちゃの煮つけ・ケーキとフルーツポンチ。子ども15食分と大人10食分を用意した。
台所では、毎週参加している調理人の男性ボランティアが海鮮ちらしを担当し、テキパキと準備をしていた。女性ボランティアはデザートを担当。
2階では子ども達を集めて、2ヶ月に1度のペースで訪れているおはなしユニット「ロバの耳」(札幌在住の須藤和加子さんと小樽在住の上山昌江さん、本日欠席の江別在住・長畑さくらさん)による「語り」という方法で日本の昔話や物語を伝えた。
今日のプログラムは、「かさじぞう」と「としがみさま」「小人と靴屋」を語りで届け、パネルシアターやわらべうた、クイズなども行った。
保育士の横山律子さんは白戸さんらの考えに共感。「子ども達と信頼関係を築くためにもいつも来るようにしている。いつの間にか、子ども達も素の姿を出せるようになり、注意することもある。社会性を身に付けてもらいたい」と話した。
秋野さんは、「皆さんに使っていただき、願っていた通りになり良かった」と話した。秋野さんが運営する小樽ポッケは、2世帯住宅の建物で11室あり、台所・トイレ完備。団体や個人にも貸出している。高校生までは無料で 、その他は1人1時間100円の使用料で予約が必要。
白戸さんは、「子ども達が集まってくれて良かった反面、ルールが守れなかったりと、しっかりと直せる場所にしたい。自分達の価値観に縛られずに、やりたいことや見つけたいことへの後押しができれば、貧困の連鎖を断ち切れると思う。家庭だけじゃなく、もっと幅を広げて、いろいろな物に触れさせてあげたい。突き進むバックアップができれば、地域の活性化にも繋がると思う。10年後にたるっこ食堂がもっと成長していたら嬉しい」と話した。
現在、後継者を育成中で、CREAMのメンバーや福祉・教育関係者のボランティアを募っている。参加申込みはCREAMへ。
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