今年は、アメリカの偉人ヘレン・ケラーが来樽してから80年を迎え、それに合わせて、市立小樽図書館(花園5)では、1階エントランスを会場に、ヘレン・ケラーに関連した本50冊と資料を展示した特設コーナーを、5月23日(火)から6月22日(木)まで開いている。
伝記は子ども達に人気があり、漫画で書かれたものや突然視力を失った人の手記など、感動と勇気を与える本が並んでいる。
ヘレン・ケラー(1880年~1968年)は、視覚と聴覚の重複障害者でありながらも、努力家で先進的な思想を持ち、障害者の教育や福祉の発展に尽力した女性。
小樽へは、1937(昭和12)年、視覚障害者支援施設(日本ライトハウス)の創設者・岩橋武夫氏により日本に招かれ、各地を回り、6月22日・23日に、小樽聾唖学校(奥沢町)や花園小学校を訪問し、講演後に聾唖学校の校舎前で参加者とともに記念撮影した写真が紹介されている。
その当時の様子が、「創設者小林運平先生と小樽聾唖学校」(平成9年)、ヘレン・ケラーに2度会ったという市内の鍼灸マッサージ師の「東川信夫92年の歩み」(平成25年)に書かれている。
2015(平成27)年には、同図書館と小樽点字図書館が連携。障害手帳を持たない人でも、医師の診断書があれば、点字図書館が貸出すCDを同館で申込むと借りることができるサービスを実施している。
小さい文字が読み辛くなった人には、人気の小説などの朗読CDコーナーや大活字本コーナーを設置し、他の本と同様に貸出している。朗読CDは、本との合算で1人10枚まで、2週間借りることができる。
1階の新聞コーナーと2階の郷土資料室には、読み辛い文字に当てて、画面を通して大きく見ることができる拡大読書機を設置。
同館・畑谷尚子主査は、「ヘレンケラーの生き方を知ったり、勇気が湧く物語。同時に、同館でのサービスも活用してもらいたい。沢山の方に図書館を利用してもらいたい」と話した。
全国7ヶ所を巡回する「ドナルド・キーン 石川啄木の日記を読み解く~最初の現代日本人」は、市立釧路図書館を皮切りに、啄木ゆかりの地の東京・小樽・札幌・岩手・函館で開催され、4ヶ所目の同館では5月27日(土)~6月18日(日)に開かれる。
啄木の研究者・ドナルド・キーン氏の評伝「石川啄木」(新潮社)の発表に合わせ、小樽啄木会や市立文学館の協力により関連資料や市内中学生の啄木の研究発表を展示。
27日(土)14:00~15:00 同館2階視聴覚室
新潟県柏崎市のドナルド・キーン・センター柏崎・大西慶学芸員による啄木に関連した講話
6月4日(日)10:30~12:00 第4回小樽まちかど再発見
小樽観光ガイドクラブ顧問山川隆氏と、啄木の歌碑を中心に図書館から散策する。
定員20名。申込は27日(土)より電話又はカウンター。定員になり次第締切。
6月11日(日)13:30~15:00 同館2階視聴覚室や花園公園内啄木歌碑前
小樽啄木会の荒又重雄氏(北海道大学名誉教授)による講話 「啄木の多様な読み方~ロバート・キャンベルさんやロジャー・パルバースさんに触れて~」
日本詩吟学院岳風会小樽支部師範による詩吟を披露する予定
申込み・問合せ:0134-22-7726 市立小樽図書館
◎市立小樽図書館