児童文芸雑誌"赤い鳥"196冊寄贈


akaitori1.jpg 特定非営利活動法人絵本・児童文学研究センター(色内1・工藤左千夫理事長)が、児童文芸雑誌『赤い鳥』復刻版全196冊を、市立小樽図書館(花園2・鈴木浩一館長)に寄贈し、3月30日(木)11:00から、同館で贈呈式が行われた。
 今回寄贈された『赤い鳥』全巻は、函館市在住の男性から同センターに寄贈されたものだが、同センターには他に一揃い有ることから、工藤理事長が、「1人でも多くの方に見てほしい」という思いで、同館に寄贈することとした。
 同理事長は、「大正・昭和当時の、子どもの教育の本を考える上で、欠くことのできない資料。もしもセンターに無ければ、喉から手が出るほどほしいものだ。今回寄贈するのは1968年に復刻されたもので、大学図書館など研究機関には資料として収蔵されていると思うが、高価なため公立図書館にはほとんど置いていないと思う」と話した。
akaitori2.jpg 鈴木館長は、「小樽図書館が1916(大正5)年に開館してから、今年度は100周年ということでいろいろな事業を行ってきた。明日31日(金)で今年度も終わるが、最後に一番嬉しいプレゼントを貰った気持ち。4月からは新たな100年に向かうことになり、子どもの読書に力を入れていきたいと考えている。まず早急に整理をした上で、市民の方々に手に取って見てもらえるようにしたい」と話した。
 『赤い鳥』は、小説家で児童文学者の鈴木三重吉によって創刊された児童文芸雑誌。1918(大正7)年から三重吉が亡くなる1936(昭和11)年まで、全196冊が発行された。創刊当時、子どもの読み物に質の良いものが無かったことがきっかけとなり、三重吉自ら童話を書き始めるとともに、子どものための価値ある童話と童謡を創作する、日本最初の運動として同誌作りを行った。島崎藤村、徳田秋声、芥川龍之介、小川未明、有島武郎、北原白秋などが同誌に作品を寄せている。
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