新博物館2007年夏オープンに向け、同開設準備室が、7月9日(日)13:30から「新博物館開設にともなう懇談会」を、旧交通記念館(手宮1)で実施した。懇談会には約60名の市民が集まり、新博物館についての意向調査の結果報告などを受け質疑が行われた。
新博物館は、現在の小樽市博物館と青少年科学技術館・旧交通記念館の3館を統合して、2007年夏オープンを目指している。新博物館は、旧交通記念館の建物と敷地を利用して作られる。目的の違った博物館など3館の統合のため、その内実や施設についての関心が市民の間にも広がっている。
このため、新博物館開設準備室(土屋周三室長)が、7月9日(日)13:30から「新博物館開設にともなう懇談会」を、旧交通記念館で実施した。
懇談会では、新博物館開設準備室が3月に実施した意向調査集計結果報告がなされた。この調査は、博物館・科学館の利用者を中心に郵送やインターネットで実施したもの。回答は733件寄せられた。
集計結果は「全体として小樽の歴史と自然に強い関心が向けられており、同時に子供たちの教育環境の向上に意欲を持っていることが明らかになった。また、プラネタリウム、もしくはそれに代わる天文や宇宙への関心を高める施設・事業についての要望も多かった。その裏返しとして、現状の科学館・博物館と新博物館の学習環境の変化に対する不安もうかがわれる」と分析し、今後「新博物館のコンセプトを基本に、早期に具体的な事業内容などの情報公開に努め、より多くの市民が気軽に集える場、子供たちの学習意欲を高める場、小樽のことを伝える場としての新たな博物館創りが必要である」と結論づけている。
参加者との意見交換では、学芸員の専門性や現在の博物館の跡利用などについての意見が出された。「今の状態のままでは施設を新しくしても対応出来ないのでは」との疑問に対し、「今年度は準備室を立ち上 げているのでご迷惑をお掛けしているが、来年我慢してもらった分頑張って挽回したい」と答えた。
「現在の小樽の博物館の展示の仕方、展示物の紹介の仕方が冷たい感じがする。見る側に立った展示をしてもらいたい」との要望に対し、「今後は変えるようにしていきたい。現在の色内の博物館もユニバーサルデザインの思考で、モデルチェンジをしていく予定」と答えていた。
土屋周三室長は、「新博物館のスタンスは、企画展示ばかりではなく、有能な学芸員がいるので、外に出て活動をしていきたい。今年は準備室を立ち上げるなどで迷惑をかけているので、出来るだけ早くオープンさせたい。学芸員は数ではなく質だよと言われないように勉強していきたい」と述べた。
懇談会に参加した長橋の土屋幸彦さん(69)は、「誠意を持って取り組んでいると思う。内容は良いと思っているが、準備は間に合うのだろうか。頑張って進めていってもらいたい」
花園の越後久司さん(80)は、「交通の便が大変だと思う。1人でも多くの市民が博物館を自慢出来るような施設であってほしい」と話していた。
交通記念館は冬期間は休館していたが、新博物館では通年オープンする方向で進んでおり、料金設定は、これまでと同様に小・中学生は無料で、高校生から大人は300円の予定だという。