小樽海上保安部は、11月25日(金)10:00から、小樽地方合同庁舎(港町5)2階大会議室で、10月27日に就役した最新鋭1,000トン型巡視船「えさん」の就役記念式典を開いた。
同船・佐藤篤志船長をはじめ乗員28名と第一管区海上保安本部・岩﨑俊一本部長、小樽海上保安部・森部賢治部長、森井秀明小樽市長ら多数の来賓と海上保安友の会札樽支部会員30名の約150名が出席した。
三菱重工業株式会社下関造船所で建造された新造船「えさん」は、今年9月に老朽化のため34年間の任務を終えた旧えさんの後継船。小樽海保での新造船の配備は、昭和53年11月以来38年ぶりとなり期待を集めている。
同船は、くにがみ型PL12巡視船。総トン数約1,500トン・全長約96.0m・幅約11.5m。旧えさんの680トンに比べて約2倍。25ノット以上に速力を上げ、大幅に操縦性能をアップさせ、救難体制の強化を図った。
10月27日(木)に就役し、日本海上で操船訓練をしながら北上し、11月8日(火)に小樽港色内埠頭に入港した。
本日の就役記念式典にあわせ、国際信号旗(船の通信に使用する旗)を掲揚する「満船飾」を船体にたなびかせ、祝いムードを高めた。
同保安部の森部部長は、「新巡視船えさんは、従来の巡視船に比べて船体が大型化し、速力や操船性能に加え、監視能力を向上させ、さらに飛行甲板を有し、ヘリコプターとの連携が可能となった。遠隔放水銃や防災情報等表示装置を搭載させ、海難救助や災害救済能力が強化された。乗組員が一丸となってこれまで培ってきた経験を活かし、最新鋭の装備と優れた能力をフルに発揮し、必ず皆さんの期待に応えることができると確信している」と挨拶した。
引き続き、同保安本部の岩﨑本部長は、「巡視船えさんをはじめとした巡視船艇航空機をしっかりと運用し、関係機関や地方自治体などと連携を図りながら、北海道の海の安全安心を守っていく所存である」と述べた。
その後、乗組員が1人ずつ紹介され、佐藤船長は「北海道の皆さんの期待と信頼に、しっかりと応える所存である」決意を述べた。
式典終了後、小樽港第3号埠頭に停泊中の同船内見学会が、式典招待客を対象に開かれ、初お披露目となった。
他船や荷物を引いて航行する曳航装置室やエンジンルーム、水を閉鎖する水密扉、畳32畳分が敷ける多目的室は、避難した人を保護したり会議室にも対応できる。乗組員が利用する第1公室や第2公室・調理室・居住スペースなど公開された。
また、操舵室の後方にはOIC(Operation Information Center)室が配置され、通信区画や
武器管制区画を設置。30mm多銃身機銃、遠隔放水銃についても説明があった。
最新鋭の機材を搭載し、ヘリコプターの離着陸も可能となり、警備・救難活動においても対応能力の充実・強化が図られ、多くの期待を集めている。
同保安部では、131名の職員体制で、小樽港や石狩湾新港の海上犯罪の取り締まり、密漁・テロ対策や海難救助、海上安全対策など数多くの任務に従事している。
なお、11月27日(日)10:00から12:00まで、小樽色内埠頭で、同船一般公開を実施する予定。この機会に多くの市民等の参加を呼びかけている。
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