森井市政1年目にNO! 一般会計決算で異例の"不認定"!


 小樽市議会(横田久俊議長)の決算特別委員会は、10月11日(火)に4日間にわたる日程の最終日を迎えたが、森井市長1年目の行政執行の成績となる一般会計決算は、全会派が”NO!”を突きつけ、戦後地方自治法(昭和22年4月)ができて以来、昭和31年に次ぐ、60年ぶりの小樽市政史上2回目の不認定となった。
 質疑では、最終日も参与についての質問が相次いだ。
1011council-hama.jpg 自民党・濱本進議員は、参与の勤務実態が所属の秘書課で把握されていないことに対し、「お金を払って雇ったのだから管理するのは当たり前だ。結局何も管理がされていなかったのは、職員の誰もが参与に手を触れられなかったからではないか。つまり、市長が雇い入れたいと言うから雇わなければならない。給料30万円払わなければならないから後付けの理屈を付けた。手を触れられないから好き勝手に仕事をしていた」。
 「来客が来て相談業務をしているが、参与は市長のアドバイザーだ。業務外の業務をやっていることになる。それさえ管理できなかったのは、行政執行上の重大な瑕疵だ」と強く指摘した。
 また、公明党・秋元智憲議員は、「業務日誌を見ると明らかに不自然な来客が多い。高度なアドバイスをするはずの参与が、なぜこのように来客の相手をしなければならないのか。明らかに除排雪に対する要望や陳情も受けている。ましてや参与室は、一般に公開されているわけではなく、特定の人々しか分からない。後半では、市長の後援会の人が出入りをしている」。
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 「月30万円も払って任用する必要は無かった。職員の答弁を聞いていても、腹の中では、参与のアドバイスなど要らないと思っている。市長一人が、参与が必要だと言っているから、職員がそれを守らざる得ない。結局、結果を出すこと無く1年で参与の任用を解いたが、そもそも出だしから間違っていた。誰からも理解されない参与を連れて来た市長の責任は重い」と森井市長を糾弾した。
 質疑終了後、各会派から決算議案に対する態度が表明されたが、全会派が、一般会計決算案に不認定の討論を行った。
 自民党・鈴木喜明議員は、「任用の根拠となる堤正和氏の専門的知識や経験について、具体的にどのようなものかを説明できず、客観的に証明されていないこと。報酬に関わる算出根拠が奇想天外な論拠に基づくこと。参与の報酬については議会で減額修正されたにも関わらず任用をし続けたことなど」により、不認定の立場を述べた。
 公明党・斉藤陽一良議員は、「参与の任用と報酬の支出を、議会で反対されているにも関わらず続けたことは、地方自治法第96条1項2号、同法220条1項に違反する。行政行為の瑕疵については全て森井市長の指示によるもので、自らの後援会関係者を、恣意的に根拠もなく高額な報酬を定め、議会の関与をことさらに避けた森井市長のお手盛りの任用は言語道断だ」と断じた。
1011council.jpg また、森井市長の昨年の人事異動を、「元総務部長が『論外』とし、当時の総務部次長・職員課長が、共に任用書類の決裁を拒まざるを得なかった異常な任用が強行されたことに驚きと憤りを禁じ得ない。自らの市長選挙での後援者を優遇する、極めて個人的な下心を実現するため、それを思いとどまらせようと己を顧みることなく進言した、当時の総務部の人事に関わる中枢を全て異動させるという、非民主的・ファッショ的独断人事であったことが明らかになった」と述べた。
 民進党・面野大輔議員は、「森井市長は参与の任用について自らには責任は無いと言っているが、住民監査請求や裁判の結果が出た場合、その時は責任を取るのか?」と質した上で、「森井市長が参与の任用が違法でないと主張しても、それはある場所で判断が下されるので、そのために今、決算議案を認めないことが責任ある判断だ」と、議会とは別の場での決着を含みながら、反対の立場を述べた。
 一般会計以外の特別会計及び各企業会計等の決算については、共産党を除く賛成多数で認定された。
 昨年、森井市長は、参与に関する議会答弁に詰まり、議会が中断した際の打合せにおいて、市長が連れてきた参与なのだから、市長自身で説明する責任を取ってほしいと訴えた職員に対し、「参与は、私が連れて来たのではなく、市民が連れて来たのだ」と、責任を回避する態度をとっていた。
 就任1年目の通知表で、森井市長の成績は、市議会から落第の判を押されてしまった。不認定でも執行済みのため、決算の効力には影響がないとされるが、小樽市政史上、公的な場で”落第市長”と烙印を押されてしまった政治的責任は極めて大きい。
 森井市長が掲げた『しがらみのない市政』は、度重なる身内の後援会幹部の優遇で、森井市長こそが『しがらみだらけの市政』でしかなかったことを、満天下に曝すことになった。
 市のリーダーとして”小樽丸”の航路を何ら明示できず、ただ大海を漂うだけの”森井落第船長”は、これから何処へ市民を連れて行こうとしているのか?市長本人も、職員や市民も、誰も進む方向が分からないまま漂うだけの状況がまだまだ続くことになる。
 地方自治法
 H281011小樽市議会 決算特別委員会(4日目)1(民進・自民・公明)
 H281011小樽市議会 決算特別委員会(4日目)2(共産・新風小樽)
 H281011小樽市議会 決算特別委員会(4日目)3(討論・採決)
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