小樽市議会(横田久俊議長)は、10月5日(水)から4日間の日程で、決算特別委員会(林下孤芳委員長)を開催した。初日となる5日は、定刻通り13:00から開催され、今年3月末で退任した参与に関する質問が集中した。
自民党・濱本進議員は、8月9日の総務常任委員会で迫元総務部長らが証言した内容で、昨年5月21日に、元職員課長が渡された森井市長の人事案の中に、堤正和参与の名前があったことは、いかがなものかと思うとした上で、「6月1日付けで参与の任用ができなかったのは、反対した職員がいたからではないのか?人事異動が行われて、そういう職員がいなくなって初めて、6月10日に任用が実現したという見方は成り立たないか?うがった見方か?」と指摘した。
市側は、「うがった見方とは思わないが、それも考えの一つだ。時間的に厳しかったために6月1日発令は間に合わなかった」と回答した。
公明党・斉藤陽一良議員は、昨年の第3回定例会で、市が提案した新たな参与制度を否決するとともに、昨年の6月10日の任用から9月30日までの参与の報酬予算についても減額修正して9月25日に可決していることは、参与の任用を認めないという議会意思であったにも関わらず、年度末まで任用を続けるとは何事かと質した。
市側は、昨年10月以降も参与を任用したのは、市長が議会意思を斟酌した上で任用を続け、予算の手当ては流用したものがあり、いずれも違法でないと主張した。
また、市側が、予算措置は必要ではあるが、人事は市長の権限であるとしたのに対し、斉藤議員は、「8月9日の総務常任委員会で迫元総務部長が、参与の名前が人事案にあったことを『論外』だと言った。人事の権限は市長にあるのは分かるが、人事の権限は合法・適法に、公正・公平に行使されて、初めて権限と言える。恣意的にわがまま勝手に使って良い権限ではない、こんなことは許されない」と指摘した。
さらに、森井市長の行政上の責任は重大だと指摘すると、森井市長は「私には責任は発生していないと考える」と答えた。
新風小樽・安斎哲也議員は、参与の報酬の根拠について、市側はいろいろ後付けで説明するが、まず金額ありきだったのではないかとした上で、森井市長に対し、30万円の報酬についてどう感じたかを質問した。森井市長は「参与の職務の責務を鑑みると妥当だと思った」と答えた。
安斎議員は「市長が自身の後援会幹部を雇ってくれということは、これまでも論功行賞だと言ってきたが、どう思うか?」の質問に対し、森井市長は、「論功行賞にあたらないと思う」と否定した。安斎議員は、「他都市では、小樽市同様のケースで住民監査請求も起きているというのに、市長の認識は市民とかけ離れている」と指摘した。
昨年からの森井市長の言動をめぐっては、議会議論の中で、後援会関係者に対する論功行賞や便宜供与などの疑いを指摘されることが多かった。
今回の参与に関する質疑の中でも、参与任用に至るまでの経緯や報酬額の決定の根拠など、市側の説明は全く明確さを欠いており、森井市長のわがまま勝手の恣意的な職員任用の不可解な事実だけが、ますます浮かび上がっただけで終わった。
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