「第62回文化財防火デー」に合わせ、1月26日(火)10:00から北海製罐株式会社小樽工場(色内3・江川亨工場長)で、火災防御訓練が行われた。
1949(昭和24)年1月26日に奈良の法隆寺の金堂から出火、国宝の12壁画を焼損した。それを機に、1月26日を文化財防火デーとして、1955(昭和30)年に定められた。歴史的建造物等の災害対策を確立し、市民や関係者に防災意識を高め、啓発を図ることを目的としている。
同工場は、1931(昭和6)年に建設され、鉄筋コンクリート造6階地下1階(延11,406㎡)の建物で、141名が勤務。2012(平成24)年に小樽市指定歴史的建造物第76号に登録されている。
工場稼働中に訓練を実施。同工場の自衛消防隊と消防機関が連携し、初期消火活動・避難誘導・消防隊による人命救助・放水活動を実施した。
訓練参加機関は、小樽市消防本部30名・小樽市消防団第11分団4名、同工場自衛消防隊25名。非番の職員も訓練を見学した。訓練の消防車両は、指揮者、救助工作車、ポンプ車・はしご車・化学車(2台)救急車の7台。
訓練は、同工場の本工場から火災が発生、自衛消防隊による避難誘導、初期消火が行われたが、火勢は拡大の形相を呈し、工場内の職員数名が逃げ遅れて救助を求めていると想
定された。
雪がちらつく中、10:00に工場内の火災を知らせるサイレンが鳴り響き、自衛消防隊による初期消火後、職員の避難誘導が行われ、工場から次々と外へ避難した。
逃げ遅れた3名のうち、建物内で2名を救助した後、屋上に逃げた1名を、はしご車を使って無事に救助した。駆けつけた消防車両の6箇所による放水訓練が一斉に行われ、すべての訓練が終了。
庄司孝行消防署長は、「ここの建物は大きくて人もかなりいる。建物も古く、有事の際に大きな災害にならないように期間を短くして実施。昨年の火災件数が48件。前年が38件で10件増えている。火災を減らすために予防関係や査察を重点的に実施し、冬期間の積雪の中での訓練は重要な訓練。屋上からの救出もあり、積雪を考えながら想定して行い、被害の軽減に繋げたい。本日の訓練については、総体的にみて問題なく、自衛消防隊も含め、流れを確認できたと思う」と述べた。
市内には、歴史的建造物は81箇所あり、毎年、小樽市総合博物館や小樽市公会堂など場所を変えて訓練を行い、同工場の訓練は、2013(平成25)年の文化防火デーに合わせて実施している。
◎小樽市消防本部HP
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