文部科学省特別機関「日本ユネスコ国内委員会」の委員に、小樽ユネスコ協会(丸田謙二郎会長)で、長年事務局長を務める小樽在住の安達久美子さんが、12月1日付けで就任した。
同委員会は、教育・科学及び文化の事項に携わる団体・者をユネスコの事業に参加させるために、1952(昭和27)年に設置。我が国のユネスコ活動に関する助言や企画、連絡や調査を行う機関として、関係大臣に建議する機関。
委員は国内で60名が就任し、地域活動の領域を代表する委員は、北海道からはだた1人、安達さんが選ばれた。任期は3年。
過去に、1975(昭和50)年に小樽ユネスコ協会会長に就任した山賀勇さんが同委員に就任。小樽では約40年ぶりに2人目の委員が誕生し、関係者は喜んでいる。
安達さんは伊達市出身で、昭和女子大学日本文学科を卒業し、高校で教鞭をとった。夫の転勤で小樽に住み、1994(平成6)年に小樽ユネスコ協会に入会。2001(平成13)年から事務局長を務め、同会の活動に積極的に協力している。他にも、小樽市社会教育委員会議副委員長や、市立小樽図書館協議会委員長など。また、人形劇サークル「ぐうちょきぱあ」のメンバーとして、20年以上もの長きにわたり、市立図書館の読み聞かせや市内保育園等で人形劇を披露している。
その報告のため、18日(金)9:30から、市役所(花園2)2階市長室を、同会丸田会長と共に訪れ、今後の抱負を語った。
森井秀明市長は、「ユネスコでは、注目される取り組みが多く、若い方に限らず取り組んでもらいたい。これを機会に取り組みが広がり、いろいろな国と繋がればと思う。醸成されるよう期待する」と述べた。
安達さんは、「地域活動をより盛り上げたい。若い世代が一緒に活動に参加するよう何かできればと思う。ユネスコの理念やスピリットを伝えることが一番大切なこと。活動の中でのキーワードである持続可能な開発のための教育(ESD)を進めることに、より一層力を入れたい。高島小学校のようなユネスコスクールを増やし、地球環境や問題点を知ることから始め、どう他国と手を繋いで解決するか、子ども達に問題意識を持ってもらい、国際的に仲良く手をつないで未来を歩いていく活動を広げたい」と、意欲を見せた。
丸田会長は、「安達さんは、小樽ユネスコ協会の中心人物で、日本ユネスコ協会との繋がりが認められ文科省が決めた。同会の活動が一層活発になるよう期待している」と話した。
小樽ユネスコ協会は、札幌市に次ぐ道内2番目として、1949(昭和24)年に設立した。現在、学生1名を含む51名の会員。1977(昭和52)年に小樽ユネスコ英語祭を開き、コミュニケーション力をつけ世界平和に役立てようと、現在も継続している。カレンダーリサイクル市や、書き損じはがき回収キャンペーンを行い、収益金を世界寺子屋運動や市立小樽図書館に、ユネスコ世界文庫として図書を寄贈している。
なお、カレンダーリサイクル市は、1月9日(土)・10日(日)に小樽市総合福祉センター(富岡1)で、11日(月)・12日(火)は、長崎屋小樽店(稲穂2)1階公共プラザで行う予定。
◎日本ユネスコ国内委員会
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