開会中の小樽市議会第3回定例議会・予算特別委員会(新谷とし委員長)は、森井市長の答弁を巡り、連日にわたって、紛糾空転を重ねていたが、9月15日(火)15:30になって、ようやく審議を再開し、20:20過ぎに予定していた質疑を終了した。これで、紛糾空転を重ねた委員会も、ようやく16日(水)に最終日を迎え、市長提出議案の採決が行われることになった。
再開した委員会では、答弁を巡って空転を重ねた森井市長の頑な態度に、さじを投げた異例の委員長談話が発表された(資料1参照)。
焦点となっていた参与人事では、森井市長が、自らの後援会幹部で市内の除排雪業者の社員となっていた市建設部OBの堤正和氏を参与として任命し、除排雪業務を担当させていることに対し、しがらみの情実人事として議会からも、多くの批判を呼んだ。
この人事に対し、市議各会派は、賛否の態度が問われていたが、16日の予算特別委員会最終日を前に、与党の1人会派と共産を除き、自民・公明・民主・新風小樽の4会派が足並みを揃え、補正予算として計上されていた参与報酬(約280万円)をカットし、ゼロ査定とすることになった模様だ。
4会派が足並みを揃えた結果、否決が絶対多数となったことで、参与任命人事の森井市長の思惑は、あえなく吹き飛んでしまうことになった。
参与報酬が認められなければ、森井市長にとっては、副市長人事の否決に次ぐ手痛い敗北で、森井市政は当初から大きくつまずき、わずか就任5ヶ月足らずで、満身創痍となり、立往生する公算が大きくなった。
この日の委員会質疑の中、人事異動で市長は、「秋元議員に過去に内申がない状態で昇任も当然あったと言ったが、内申のない状態で、部長職については転任があったと申し上げたかった。訂正させていただく。改めて確認したところ、部長職の転任についてはこれまでも内申書がない中で行われてきたことから、このことを意図して答弁したが、言葉を誤ったもの」と強弁した。
秋元議員は、「転任を昇任と勘違いしたというが、私との議論では転任の言葉は出ておらず、なぜ、委員会が止まる前に発言しないのか全く理解できないし、信じることもできない。人事の根拠が破綻している。人事の手続きは誰が見ても異常。答弁を正当化させるために、答弁を変え、議会を混乱させているのは市長自身だ。議会に責任を転嫁するなど、言語道断、無責任極まりない発言にいい加減辟易する。市役所内部の助言も聞き入れるべき、市民の心も離れてしまっていることに気づかないのか」と述べた。
斉藤陽一良議員は、除雪業務入札等参加申請受付の中止(文書の発送が延期)と共同企業体(JV)の構成員数の変更はないと議論してきたが、2社以上から4社以上に変更したことについて質問した(資料2参照)。
建設部副参事は、「8月28日に登録のある業者を対象に説明会を開いた。市長から、新たな拠点が増えることにより、各共同企業体の業者数を増やしてほしい言われ、共同企業体が除雪業務を行う場合、もっと地域と関わり合うようにと提案があり、建設部で検討に入った。最終的に方針が決定したのは、9月10日で、11日に皆さんに説明した」と経過を報告した。
斎藤議員は、「議会で着々と進んでいる最中に、根本になる要件を変更してしまうことを市長の指示で行ったのか、全く理解できない。途中で変えるなんでとんでもない」と見解を求めた。
市長は、「ステーション数を増やし、それ以外の所の質が下がらないように、もともと4社で行っていた基準のままで行うために対応した」と答弁した。
斉藤議員は、「議論して半分以上終わっていることを覆すのか。各JVの編成がすでに終わっている時期で、本来であればれ明日が締切。今頃になって混乱させることが市民のためになるのか」と質問した。
建設部副参事は、「除雪業務については、少しでも多くの業者が携わってもらいたいと考えている。オペレーターや機械の確保。業者の育成も兼ね、将来的な除排雪体制を見据えた判断となる」と答弁した。
佐々木秩議員(民主)は、「”議会を止めたのは秋元議員”と市長は述べているが、秋元議員ではないと判断する。間違いではないかと諭したが、市長は間違いではないとし、虚偽の発言をしたことにもなる。市長が間違った捉えかた(転任⇔昇任)をした」と文章を読み上げた。市長に質問の意図を理解してもらうために開会30分で休憩となった。その後、18:23に再開し、予定していた質問を終え、20:24に散会した。
◎秋元智憲のtwitter
(資料1)
(資料2)