草花や樹木などを独自の切り口で捉えた市内在住の写真家・沓間照男氏の写真展「艸木叢林(そうもくそうりん)」が、6月10日(水)から23日(火)まで、北海道新聞小樽支社(稲穂2)1階ギャラリーおあしすで開催中だ。15年間、フィルムカメラやデジタルカメラで撮り貯めたカラー作品32点(A4サイズ)を展示している。
沓間氏は、高校生の頃からカメラに興味を持ち、24年間、医学写真の仕事に従事。ありのままを撮影する記録写真や、研究・診療に役立てるための写真を撮りながら、趣味では、身近な自然に感動し作品づくりを楽しんだ。
写真教室にも通い、自然についての講義を聞き、自然の仕組みを知って、写真が変わったという。現在は、市内銭函周辺の写真愛好家が集まるカメラ倶楽部「優游会」の講師を務めている。
小樽での個展は初めてで、400枚以上の中から、来場者が分かりやすく楽しめる、ちょっと見方を変えた面白い写真を選りすぐり発表している。
写真展名の「艸木叢林(そうもくそうり)」は、経文の中の言葉で、今回の個展は草や木・林など、植物を撮影したものを集めているため、沓間氏のホームページやブログでのタイトルを個展名に使用している。
今回発表した作品は、札幌近郊の森林や公園へ出かけ撮影したもので、春の福寿草やカタクリ、夏の生い茂る葉、秋のイチョウや色づく紅葉、冬のオオバユリなど四季折々の草木を面白い角度で捉えている。
花や木を様々な角度から見ると、新たな発見があるという。バックのぼかし加減や、森林の中に差し込む西日をランタンに例えたり、桜が散り地面に落ち、木が影を作り再び桜を楽しんだ作品、木々に自然に生えた地衣類(菌類と藻類の共生体)を捉えた作品など、どれも沓間氏ならではの感性が光る。
「木立の宝石」は、森の中に宝石のように葉がキラキラと輝いている作品で、逆光を使って撮影したと説明。光や影を敏感に捉え面白い作品に仕上げている。
沓間氏は、「自然の足元のものにも、見方を変えると面白い物があり、立って見るだけではなく、座って見たりすることにより違った発見をすることができる。小樽では初めての個展で、この機会にぜひ見ていただきたい」と話した。
沓間照男写真展「艸木叢林(そうもくそうりん)」
6月10日(水)〜23日(火)9:30〜17:00(最終日16:00)
北海道新聞小樽支社(稲穂2)1階ギャラリーおあしす
◎沓間照男HP「艸木叢林」