「カジノ誘致に反対する小樽市民の会」(結城洋一郎共同代表)の定期総会が、5月30日(土)14:00から、道新小樽支社(稲穂2)3階ホールで開かれ、同会役員をはじめ、会員や市民65名が参加した。
同会は、2013年の第3回定例会で、中松前市長がカジノ誘致を提案表明したことを受けて、反対する市民らが集まり、会議を開いた。2014年5月に、同会を発足させ、市民らへ入会・賛同を求め、現在225名が加盟。カジノ誘致反対の署名は、10,700筆にも及ぶ。カジノを考えるカフェや、シンポジウムを開催し、8号までカジノ通信を発行。幹事会は年11回。同会のブログも立ち上げるなど、カジノ誘致を反対する大きな力として活動を続けている。
冒頭、結城洋一郎共同代表は、「1年を通じて市民の理解を得ることができ、市民の7・8割はカジノ誘致に反対している。北海道議会選挙や小樽市長、小樽市議会選挙において、カジノ誘致に反対する候補者が、全員当選するという結果を得た。必ずしもカジノ問題が争点になっているわけではないが、今後は、政治関係の皆さんの協力を得ながら、カジノ誘致を阻止する活動を続けていきたい。カジノ誘致を推進する方々とは、シンポジウムの共催にむけて話し合いを続けているが、今後とも意見の交換を行いながら、より良い小樽まちづくりの方向性を模索してまりたい」と挨拶した。
総会では、小樽市のカジノ誘致に反対し、解決の道筋を討論によって明らかにし一致する要求課題で行動する。市民や会員の提起に基づく学習会・講演会・シンポジウムなどを開催。請願署名を市議会に提出するなど活動方針(案)について説明した。
その後、仙台在住の弁護士・新里宏二氏(全国カジノ賭博場設置反対連絡協議会代表幹事)による「カジノ(IR構想)反対と今後の活動について」の記念講演があった。
新里氏は、長年(33年)にわたり多重債務経問題に取り組み、ギャンブル依存性で苦しみ、家族や命までなくす人を見てきた。人の不幸の上に経済成長戦略はあり得ない、国のあり方が問われていると主張した。
記念講演の中では、借金で自殺する社会をなくそうと、実際に韓国で唯一自国民が入場できる江原ランドカジノ(年間300万人の出入り)を視察し、プロモーションビデオとは全く違った悲惨な実態を目の当たりにした。現状と問題を具体的に示しながら熱く語った。
人の失敗を成長の種にするような国づくりの基本が間違いで、一番の運動の要となる。海外のカジノにおいても、カニバリゼーション(共喰い)が起こり、共存共栄とはならない。高齢者や若者へも悪影響を及ぼす。何も考えない丸投げの法案であり、反対が広がっている。カジノに厳しい国でありたいと強調した。
同会共同代表の平山英子氏は、「カジノのないまちづくりに知恵を出し合いたい」と述べた。
◎カジノ誘致に反対する小樽市民の会ブログ
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