4月26日の小樽市長選を控え、任期最後の定例記者会見が、3月30日(月)11:00から、市役所(花園2)2階市長応接室で開かれた。
この会見で、中松義治市長は、「カジノ法案の国会提出が先送りされ、2020年のオリンピックにも間に合わず、東京・横浜などと違い、北海道が候補地にされることがないとの見通しとなった。2期目の市長となったとしても、次期4年間の任期中にカジノ活動の誘致活動をしない」とカジノ誘致活動との決別を宣言した。
これは、市長選直前となって、多くの市民の間に、カジノ誘致への疑問符が多いことを考慮に入れた撤退宣言と見られるが、これまで、カジノ誘致を推進してきた中松陣営が、及び腰のカジノ反対を言い始めた森井陣営に、強力な肩透かしを浴びせることとなった。
次期市長選の最大争点になると見られていた”カジノ誘致活動”が消え去ったことで、今後は、行政手腕や人口減対策への効果的対策、小樽市の活性化への具体策等が問われることになった。
会見では、5つの項目について説明。その後質問に答えた。
1.災害対応消防ポンプ自動車及び高規格救急自動車の購入について
消防力の強化を図るため、ポンプ自動車と手宮出張所に配置する高規格救急自動車2台を新車に更新し、3月16日より運用を開始した。大規模災害時に、2台とも全国に派遣する緊急消防援助隊の車両として登録した。
購入金額は、消防ポンプ自動車は30,888,000円で、高規格救急自動車は30,758,400円(赤岩在住の80歳代の女性から2,000万円の寄附があった)。消防ポンブ自動車は、昭和56年の購入から34年が経ち、老朽化のため継続しての使用が困難となっていた。
2.第3号ふ頭多目的広場の愛称決定について
2月に名称を募集したところ、全国各地から98名が応募。199作品の中から、塩谷在住の西川幸子さんの「おたるマリン広場」に決定した。
愛着があり、広く皆さんに利用してもらいたいと愛称を募集し、小樽にあることや海の近くであることが分かり、覚えやすいネーミングに相応しいと決定した。
3.市長の会社訪問について
平成25年4月に開始し、月1度のペースで、市内の企業を訪問し、意見交換をしてきた。3月20日の千歳工業株式会社(銭函3丁目)が30社目となった。今までの訪問した会社については、市のホームページ「市長が立地企業を訪問」で紹介している。
4.創業支援事業計画の申請について
小樽商工会議所と市内金融関係期間と連携し、他機関からの協力や支援を得ながら、創業しやすい環境を作り、より多くの創業の実現と継続を目指し、地域活性化を図るもの。
創業支援事業計画を、本年5月に国からの認定を受ける予定で作業に取り組む。北海道経済産業局とは、事前の調整が概ね済んだところ。市内における新しい企業の創業が重要と考える。
5.生活困窮者自立支援について「たるさぽ」のオープン
生活困窮者自立支援法に伴い、小樽市生活サポートセンター「たるさぽ」を、花園ビルの2階に、4月1日にオープンする。生活困窮者が、生活保護に至るまでに、困窮状態から脱するよう支援するもの。自立相談支援事業や住居確保給付金、就労準備支援事業など6つの支援事業を行う。
質疑応答
Q:市長となり4年間を振り返り、市民へのメッセージは
A:4月29日までの任期となり、4年間を振り返ると、市民と約束したことのひとつとして、2つある病院を1つにして効率を良く、安心して看てもらえる病院が、予定通り開院でき約束を果たせた。
グランドホテルや丸井今井が閉鎖し火が消え、賑わいを作りたかった。再開発が進み、今年の秋には、新しい病院が新築移転する。
2008年(平成20)年に観光都市宣言をし、多くの人に来てもらおうと取り組み、昨年は、41回ものクルーズ客船が寄港し、約6万人の乗客・乗員が小樽を訪れ、経済効果は約8億となった。今後も市内の活性化や経済効果に取り組みたい。
教育では、給食センターを建設し、安心して食べられる食の環境を整えた。校舎の耐震化も進めている。積み残したこともあり、2期目で取り組みたい。
Q:カジノの統合リゾート(IR)誘致について
A:カジノ法案が通常国会では議論しないこととなり、先送りされる。2020年の東京オリンピックには間に合わないと考える。法案が成立し、作るとなれば、国では横浜・大阪を上げている。全国各地で誘致活動をしているが、さらに3つ目となると、北海道はかなり後になると思い、市長2期目としては誘致活動をするつもりはない。選挙の争点にするつもりもない。
Q:ドリームビーチの撤去期限が3月31日に迫っていることについて
A:今年は雪が多く、撤去できなければ延長し、きちんと撤去し、約束を守るのであれば、今年度の営業を許可したい、撤去できなければ、海の家としては許可できない。どこまで認めるかは協議して決めたい。安全面やトイレなど、状況を見て判断したい。
4月1日以降に建物がある場合は、除却勧告を行う。その後も除去されなければ、建築基準法により命令をかけ除却できるが、今後の話し合いで決めたい。このままでは、今年度の営業を認める訳にはいかない。
Q:次期市長選の展望について
A:人口減少問題が大きい。少子高齢化が進み、高齢化率も2月末で36.16%となり、少子化については、平成26年1月1日から12月31日まで623人の赤ん坊が生まれ、生み育てる環境をしっかり取り組む必要がある。既存の会社の雇用や企業誘致、観光客入り込み数を増やし、雇用に繋げたい。付随する問題に取り組む必要があるが、2期目の大きな取り組みは、人口問題である。
Q:財政再建について
A:市の状況は大変厳しく、なんとしても財政再建団体とならないようにしたい。財政規模の2割の赤字となると財政破綻となり、市では、約300億の2割の60億が赤字となれば、財政再生団体となるが、なんとしても避けたい。
一般会計の累積赤字を解消したが、基金や他会計からの借入が55億あり、借入金を解消することへ取り組んだ。他会計や基金から借りずに、収入のない中で事業を進め、17億減少したが、今後も減少に向けて、誰が市長になっても取り組みべきもの。