市立小樽病院(若松1・鈴木隆病院長)が、一定の放射能量を超える放射性同位元素(RI)「ラジウム226」を保管していたことが判明した。これは、文部科学省が、11日(火)に同病院が許可を受けずに「ラジウム226」を保管していたと発表し、近く口頭で厳重注意することになったことから分かった。
問題となった「ラジウム226」は、放射線管理区域の貯蔵室内で保管されていたため、人体や環境に影響はないものの、小樽病院では「ちゃんと調査するべきだった」と、調査不足を認めている。
担当者によると、1975(昭和50)年頃から「ラジウム226」を鉛容器に遮へいし、レントゲン室の貯蔵室内の貯蔵箱で保管していた。実際には、誰も中身を知らなかったという。
「ラジウム226」は、放射線を出す物質ラジウムのひとつで、様々な性質を持ち何種類も存在する。放射能量を発する年月などで番号が決められているという。
小樽病院が、3月30日に貯蔵室内の保管物廃棄を依頼した業者を通じ、中身が調査され、保管物10点のうち1点が「ラジウム226」と判明した。判明した「ラジウム226」の放射能量は、12MGq(メガベクレル)として、法で規定された3.7MGqを超える放射能量を保管していたことが分かった。
「何を保管しているのか分からない状況であれば、2005(平成17)年4月からの法改正の時に調査して、文部科学省に報告をすべきだったが、その判断が出来なかった。反省している」(小樽病院・小軽米文仁事務局長)と話している。