小樽市が4月1日付で実施する市職員幹部級の人事異動で、市の課長職にある総務部企画政策室の木村俊昭主幹が、一地方公務員から国家公務員へと“華麗な変身”を遂げることになり、話題を呼んでいる。
木村主幹は、市の企画政策室で、移住促進プロジェクトや構造改革特区などを扱っていた。特区推進や地域再生に関する研修会を市内企業を対象に開催。内閣府から講師を招くなど国の中枢機関との接触を深めていた。この中で、内閣府から小樽市に地域担当職としての就任要請があった。
市としても、今後の国との繋がりを考え、同主幹を内閣府に4月1日から2年間”出向”させることを了承した。しかし、地方公務員と国家公務員を兼務することが出来ないため、市職員を“退職”し、新たに国家公務員として東京に赴任することになった。
地方公務員の小樽市職員が“退職”して、国の中枢の国家公務員となるのは木村主幹が初めて。これにより、同主幹は、小樽市という一地方公務員から、一挙に国の内閣府という中枢機関の国家公務員へと“格上げ”されることになった。ただし、2年後には、また元の小樽市の地方公務員へ戻ることになっている。
このため、退職金の出ない退職扱いの国家公務員への転出で、2年後に小樽市に戻ると、この2年間も退職金の対象年数に通算される。給与も市職員と同じく7%カットされるが、国が単身赴任手当を負担する。
木村主幹は、4月から内閣府政策統括官の参事官補佐に就き、構造改革特区推進室と地域再生事業推進室に配属され、構造改革特別区域制度(特区)の改正案作成と地域再生の政策作成などに携わる。
特区とは、地方自治体や民間事業者などからの自発的なアイデアにより、地域を限定して試験的に法律などの規制を緩めたり、またはなくしたりすることによって、その地域を活性化させようとするもので、成功したものについては、全国に広げるという制度。
木村主幹は、「2年間の単身赴任となり、官舎のある東村山市から1時間20分かけて、虎ノ門に通勤することになる。何処かに安くておいしい家庭料理を食べさせてくれる店を探さなくては。小樽に帰る余裕もないので、小樽の情報は、ネット頼りになる」、「地域再生の政策作りで、これまで小樽でやってきたことを参考にしながら、しっかりしたものを作成したい」と、気分はすでに国家公務員で、やる気満々だ。
4月1日(土)に東京に向かい、3日(月)から内閣府に勤務する。