開会中の小樽市議会で最大の懸案問題となっていた議員定数削減は、2減か4減かの市民を忘れた綱引き合戦が続いていたが、結局、各会派が歩み寄らず、昨年12月議会と同じく空中分解して、何も決められぬまま幕を閉じた。
3月20日(月)13:00から開かれた「議員定数に関する特別委員会」(松本光世委員長)は、17日(金)に次いで定数削減を論議する2日目で、議案・陳情採決が行われるため、その結果が注目されていた。
この日も議員同士の質疑が続いたが、相変わらず0減の現状維持の32人を執拗に主張し続ける共産党と、2減の自民党、4減の平成・公明の定数削減会派との間で、前議会でも行われた論戦が蒸し返えされた。
結論の先延ばしを図り、延々と続く不毛な論戦には、傍聴人からも呆れられていた。中でも2減案の自民党の質問する議員と答弁に立つ議員が、2減を市民に納得させる根拠を示せず、自民支持の市民からも失笑を買っていた。
委員会採決では、32の定数を4減し28とする平成会・公明党の2会派共同提案の議案第44号と、市民から4減の削減を求める陳情第82号を一括採決し、起立少数で否決。2減し30とする自民党の議案第43号も、起立少数で否決された。これは、同特別委の構成が、自民5、共産2、公明2、平成2、民主1の定数12名で、2議案・1陳情のいずれも、賛成が過半数に達しなかったことによる。
これは昨年12月議会と全く同じ結論となり、2減(自民)・4減(平成・公明・民主)・現状維持(共産)の三すくみ状態の再現となった。小樽市の未曾有の財政危機に、自ら襟を正し、定数削減での財政効果を図るとした、議員自身による提案の議案を、議員同士の質疑でも成立させられず、現状維持の元の木阿弥に戻ってしまった。
市議会だけの意思で決定出来る結論を、2回の定例会で審議しても導き出せなかった小樽市議会は、すでに市民の付託に背き、当事者能力のなさを露呈した。この問題の着地点を指し示して、歩み寄りを促し、議会を取りまとめていく人物のなさも見せつけた。この意味では市議会要職の議長・副議長らの責任は重いと言わざるをえない。
4減を求める5,471人の陳情や、4減ないし4減以上の削減を求める多数の市民が答えた新聞アンケート結果などに表れた、市民の意思をも汲み取ることの出来ない議員とは何か。改めて、小樽市議会の在り様に疑問を寄せる市民が多くなることは目に見えている。
定数削減という議会自体で決定出来ることも、前回、今回となんの決定も下せない市議会に対する市民の不信はさらに高まろう。これを機会に、市民の間でさらなる削減を求める声も大きくなると思われ、市民に負担増を強いる議員バッジは、選挙をくぐり抜けるための自己保身からか、結局、共産党の主張する0減の現状維持に終わった責任は、極めて大きいものがある。
来年は、統一地方選挙の年で、議員の任期も残すところ1年に迫っている。この問題に対する自民党、共産党などに対しては、市民から厳しい声が寄せられており、定数削減が決着せずに推移すれば議員バッジに対し、選挙という市民からの手痛いしっぺ返しが待ち受けることになる。
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