小樽とともに一世紀にわたる足跡を刻んできた、小樽市立堺小学校(東雲町9・森真由美校長)が、3月19日(日)10:00から最後の卒業式を行った。
堺小は1902(明治35)年、小樽区堺尋常小学校として開校して103年が経つ。戦前に中学校となった時期があり、堺小としては98年の歴史がある。小樽が栄えていた時代には、周辺に屋敷が連なり、児童数も1,209人に上り、市内では“小樽の学習院”と言われる有名校だった。この一世紀の歴史で、今までに1万数千人もの卒業生を送ってきた。
しかし、近年少子化の波に洗われ、児童数の減少が著しくなっていた。このため、市の教育委員会が推進する小学校統廃合の適正配置計画で廃止校とされ、在校生は、近隣校に統合されることになった。市内4校を統廃合とする小学校適正配置計画は、その後、住民の反対で撤回されたが、堺小はPTA、保護者などと協議の上、2006(平成18)3月31日(金)に1校だけでも閉校する道を選んだ。
このため、19日(日)には一世紀の最後の学校で、最後の卒業式が行われることになった。最後の卒業式に臨んだのは、全校生徒54人のうち、男子9名・女子4名の計13名の6年生。13人の卒業生達が、今春入学する中学校の制服や袴を着て、最後の卒業式を迎えた。
森校長がひとりひとりに暖かい眼差しで、卒業証書を手渡していった。「あなたたちは、98年の歴史を持つ堺小の最後の卒業生となりました。堺小の卒業生として誇りを持って、いつまでも堺小のことを思い出してもらいたい。自覚、責任を持って中学校に進んで下さい」と、卒業生に式辞を送った。
受け取った生徒達は、「堺小で学んだことを大切にしていきたいです」、「最後の卒業生になれて幸せです。誇りに思っていきます」、「本当にありがとうございました」と、ステージの上でしっかりと話した。
卒業生たちは、在校生たちが呼びかける「ありがとう、おめでとう、さようなら、忘れないで、共に過ごした日々を、いつまでも」の声や、「輝く日かげ 白き雲 澄みひろがれる 藍の空」の校歌などの合唱を背に、一世紀に及んだ最後の学校で、最後の卒業式を終えた。
卒業生を送り出した在校生の1年から5年生の41人は、4月から稲穂小に7人(男4・女3)、花園小に34人(男22・女12)が通学し、新しい学校生活がスタートする。在校生の終業式は、3月24日(金)に行われる。同校最後のイベントとなる市教委による閉校式が、25日(土)14:00から、同校体育館で行われ、堺小学校が一世紀の幕を閉じる。