縄文時代(今から約12,000年 前~2,000年前の1万年間)に作られた縄文土器や縄文文化を通じて、当時の知恵を学び伝えようと、「おたる縄文の集い 縄文の知恵を21世紀へ」が、8月30日(土)・31日(日)の両日、小樽運河プラザ三番庫ギャラリー(色内2)で、北の縄文道民会議・公益財団法人北海道文化財団の主催で開かれた。
会場をぐるりと囲むように、縄文土器約80点を展示している。30日(土)の14:00から16:00までは、会場内の特設ステージで、縄文文化研究者の北海道教育庁障害学習推進局文化財・博物館館長・長沼孝氏の基調講演や、縄文をテーマにした詩人・札幌大学名誉教授原子修氏の朗読、縄文琴・太鼓・ホルンの演奏やアイヌ民族による歌と楽器の生演奏、野焼き縄文土器についての解説など、盛り沢山な内容で進められた。
展示された縄文土器は、8月2日(土)に、余市町栄町海岸で縄文土器を焼いた「余市縄文野焼祭り」で焼かれたもの。約300人もの人々が集まり野焼きを見守り、次の日の朝に土器を取り出し、表彰式が行われた。そこで焼かれた新作も含めて小樽縄文人の会の大人41名と幼児から中学生22名、小樽佐藤グループ11名、余市6名と、余市登小学校全校児童10名の個性溢れる作品が並んでいる。
縄文土器の特徴となる縄目の文様を施した壺や鉢・器やオブジェ・仮面など、自由な発想で取り組み、土の風合いを活かした、野焼き独特の特徴が作品に現れている力作ばかり。
余市登小学校1年の木田虹歌ちゃんは初めて出展し、「お茶碗を作った。みんなすごく上手だった」と話し、母親は、「友達の家族から教わった。娘は粘土作りが大好きで、粘土と違った触感が面白いと楽しんでいる。他の学年の子ども達の共同制作の作品やどれも個性があり自由で良かった」と話した。
14:00からのステージでは、100名ほどの聴衆が集まり、縄文に関わる講演や縄文楽器に触れ、演奏に大きな拍手が沸き起こっていた。
縄文に50年も打ち込み続ける詩人の原子修氏は、詩を披露したり、縄文人について「普通に暮らす人が、芸術を喜び、魂の豊かな働きが生み出した造形・音など、この展示はこれを証明するもの。共通財産として守り、新しい文化へ縄文を通じて伝えていきたい」 と話した。本邦初公開の原子氏の作詞「縄文火花歌」を披露し、出席者も一緒に歌い、縄文時代に思いを馳せていた。
小樽縄文人の会代表で陶芸家の前田隆護氏は、「縄文をキーワードに、小樽・余市・後志が一体となり、縄文時代はどんな土器作りをしていたのだろうと、土器づくりを通じて、縄文文化や生活を感じてもらえらばと思う。今回は、北海道全体で会を後押ししてもらい、小樽から縄文の精神や文化を伝えることができればと思う。また、北海道・北東北の縄文遺跡郡が世界遺産となることを目標として活動を続けたい」と話した。
31日(日)は10:00から16:00まで、同会場で土器を展示している。
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