小樽写真研究会(浅賀正生代表)が主催する23回目となる「堂堂展」が、8月27日(水)から31日(日)まで、市立小樽美術館(色内1)1階多目的ギャラリーと市民ギャラリー1・2を会場に、280点がずらりと展示されている。
今回初めて、北海道職業能力開発大学校(銭函)写真部10名も参加し、学生ならでは持ち味を活かした作品と合わせて展示し、見応えのある作品展となっている。
堂堂展の名前には、「上手いも下手も抜きにして、初心者もプロも堂々と」という意味が込められている。小樽・札幌在住の40代から60代の写真家9名が、撮り貯めた作品の中から見せたい写真を自由に選び、与えられた会場のスペースを考慮して枚数を決めている。
写真サイズも様々で、壁の空間をうまく使い、作家の個性や芸術性を活かした展示が施され、コーナーそれぞれに、個展の感覚を味わうことができ、来場者からは「レベルの高い写真展」と評価されている。
同展の見所のひとつとなる小樽の町を切り口に、撮る人が感じる町らしさを撮り集めた企画展「Deep」は、今回9回目となり、「真栄・潮見台」にスポットをあて、和光荘や潮見台浄水場、生活感溢れる町並みなどを発表している。
佐藤通晃さんは、1984年1月に撮影した宗圓寺(潮見台1)の五百羅漢を撮影している。現在見る仏像とは違い、修復前の仏像の様々な表情をモノクロで捉え、臨場感を醸し出している。
最近の写真展では、カラー写真が大半を占める中、同作品展では、モノクロ写真が目立ち、自分でプリントする会員も多いという。
自分の影を集めた「Kehai」や、旧手宮線に沿線に立ち並ぶ飲み屋をモノクロで撮影し、何枚もの写真を繋ぎ合わせた作品も展示している。
神田泰行さんは、二眼レフを使い、釘を撮影し、ブローニーサイズ(6cm×6cm)のフィルムを使用し、自分で印画紙にプリント。正方形にプリントされた作品が、赤いテープで止められ、芸術性センスが際立つ展示。沢山ある釘や数本並べた釘を撮影し発表している。
市内の四季折々約100カットをDVDにまとめた志佐公通さんの作品もあり、来場者は、立ち止まって見入っていた。
佐藤さんは、「大学生と初めて一緒に開催し、一生懸命な姿勢に好感が持て、様々な場所へ撮影に出かけ写真を撮る熱意や情熱を感じる。この写真展では、それぞれの写真家の個性に出会い、モノクロの良さを改めて感じ見てもらいたい。綺麗な風景写真だけじゃなく、様々な切り口で、全部見せるのではなく、この先には何があるのだろうとイメージさせる作品など楽しんでもらいたい」と話した。
同会は、月1度の例会を開き、写真の講評はなく、会の運営や情報交換に重点を置き、撮影はそれぞれが楽しんでいる。
小樽写真研究会堂堂展Vol.23 企画展:Deep 真栄・潮見台
8月27日(水))〜31日(日)10:00〜17:00
市立小樽美術館(色内1)1階多目的・市民ギャラリー1・2 入場無料
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