豪雪で崩落した小樽港第2号ふ頭にある市営の大型倉庫の解体作業が進み、3月18日(土)には、上屋(倉庫)の建物の姿が消えた。
2月10日(金)に、小樽市内の観測史上第2位の記録的な豪雪で崩落した大型倉庫は、第2ふ頭にある市営3号上屋。竣工してからすでに54年が経つ、老朽化した鉄骨モルタル平屋建約2,900平米。屋根の約3分の2、約90m×22mもの大きな部分が崩落して、壁面もゆがんで倒壊寸前となり、上屋全体に倒壊の危険が迫っていた。
このため、市では安全確保のための緊急措置をとり、倉庫全体の撤去作業を行うことにして専決処分による予算2,200万円を確保し、建物の全部解体作業に入っていた。
3月18日(土)には、重機2台による解体作業が進められ、屋根がなくなった空間からは、小樽のシンボル天狗山が眺められるようになった。
2月24日(金)から5月2日(火)までで行われている「第2号ふ頭荷捌き地整備工事」は、小樽市港湾部が発注、株式会社板垣組が施工している。仮設工事、取壊工事に続き、路盤工事198平米、舗装工事902平米が行われ、新たに空地に荷捌き場が出現する。
この第2号ふ頭・市営3号上屋は、2003年8月から9月にかけて、松竹映画「天国の本屋~恋火」のロケセットが組まれていたところで、一般公開されたこともあった。映画もヒットせず、ロケセットも撤去されていたが、今回の豪雪による崩落で大型倉庫そのものが消え去ることになった。
第2号ふ頭では、この市営3号上屋の解体の前に、札幌側の2号と7号の上屋倉庫約2,700平米が、昨年の台風で屋根が損壊したため荷捌き整備工事を行い、大型空地が出現していた。このため、第2号ふ頭には、今回の上屋解体に合わせると、約5,600平米の荷捌き地という名の巨大な空地が現れることになった。
台風と豪雪に耐えられぬ老朽大型倉庫がふ頭から姿を消し、空地になるのは小樽港の貨物扱い量の減少をも象徴しており、小樽市が経済的に低迷していることをも示している。
いっそ、第2号ふ頭全体を市民や観光客が集い、利用出来る横浜の山下公園のような海の見える公園に変えて、港を利用した観光産業での集客にかけ、貨物から観光へと、港利用の変換を図る必要があるのではないか。豪華客船が来航しても、貨物倉庫から出る粉塵で苦情が出ている中、本格的な観光港への転換も考える必要がありそうだ。