東日本震災の記憶を伝え、被災地支援を目的としたプロジェクト「できることをできるだけin 小樽」が、8月23日(土)に、小樽堺町通りの彦蔵2階カフェと食事の店「Caf’e DONBURI DO.?」で開かれた。
11:00から、タペストリー作りのワークショップが行われ、15:00から2組のアーティストが出演するコンサートが開かれた。
同実行委・小山内和子委員長が中心となり、賛同した仲間の協力を得て、小樽では初めての開催。布や裁縫道具を持参した15名が、タペストリー作りに励んだ。
50cm四方のタペストリーには、必ず津波で被災した布を縫い合わせ、それぞれの思いを込めて縫ったり貼ったりしながら自由に製作。
中には、母が生前作り貯めたパッチワークをつけたり、被災した布のシミを活かして月に見立て、布をうさぎに型どり、母親の着ていた着物と似たテーブルクロスを再利用した女性や、北海道らしさをアピールできると、習っているアイヌ刺繍を施した手の込んだ物もあった。
男性は、接着剤で布をセンス良く貼り付けた作品を完成させた。新たに5枚が追加され、現在15枚となった。今日中に完成できずに持ち帰った人もいて、後日10枚は増える見込み。
思いが込められた15枚のタペストリーは、会場の窓際に吊るされ、コンサート中展示されていた。
今後、集められたタペストリーは、来年4月のサントリーホール(東京都港区)で開催される、被災地の高校吹奏楽部によるオーケストラコンサートでの展示を予定している。100枚を目標に、今後、ワークショップを開催し募っていく。自宅で製作したタペストリーも随時受付ている。参加希望者は、同実行委員会から被災した布を送付してもらえる。
市内在住の池上真智子さんは、13年前からアイヌ刺繍を習い、何かできることがあればと思い参加し、「アイヌ刺繍は、どんな糸でも布でも構わない。チェーンステッチでアイヌの模様の形となるよう一針一針縫っていく。洋裁は苦手だけど刺繍は好き。タペストリーの中に、被災した布があり、自分の思いを込めて製作し繋がりができる」と話した。
他の参加者は、「できることだけの気軽さに、応援したい人が入りやすいと思う」と話した。
小山内委員長は、「皆さんのタペストリーに取り組む姿に胸がいっぱい。当日の参加は不可能でも、何か出来ないかとの問い合わせも多かった。『私にもできることが』との思いで来てくれた人がほどんどで、100枚を目標としているので、さらにタペストリーづくりには参加してもらいたい」と話した。
なお、同委員会は、2011年から被災地支援に取り組むYa・Re・Ru・Ko・To実行委員会(大橋真由美代表)と連携し、30日(土)・31日(日)、望洋シャンツェオートキャンプ場で開かれる全国からバイク愛好家らが集う「VIVAキャンプミーティング小樽2014」で、被災地支援のための募金活動と、タペストリーづくり活動のPRを兼ねて開く予定。
問合せ:0134-64-5397 できることをできるだけプロジェクト小樽実行委員会。
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