毎年恒例となっている「博物館ゼミナール 小樽学」が、3月5日(日)10:30から、小樽市生涯学習プラザ「レピオ」(富岡1)を会場に開講した。第1回目は「廣井勇と小樽港北防波堤」で、ゼミ開講以来最大の約70名の受講者が集まった。
5日(日)は、社団法人北海道開発技術センターの原口征人主任研究員が講師となり、北防波堤の設計者、廣井勇の日本土木史の中での評価を語る「廣井勇と小樽港北防波堤」。
講座の中で、「廣井先生」と常に称え、「最初の工事の費用では、小樽港内の被覆面積が少なかったが、築港予算を増やし、現在の北防波堤の形になった。このことは、小樽の発展に結ぶ、良い判断だったと思う」と力説し、「真摯」という言葉が何回も述べられた。
「海水の中でコンクリートが脆くなってしまうことを危惧していた。作ったら作りっぱなしではなく、未来への機能を調べ、非常に真摯だったということは全国でも有名な話。小樽運河の建設の際でも、廣井さんは、絶対に運河と決めつけるのではなく、条件によって、埋立、桟橋、ふ頭などと、市民の声から様々な利用方法を考え、いつでも中立な立場だった。廣井先生はすばらしい技術者なので、北防波堤、小樽運河などを小樽市民の方々に大事にしてもらいたい」と、小樽運河公園にある廣井勇像を、最後にスライドで映し講座を終えた。
石川直章主任学芸員は、「『廣井先生』と言う原口先生に愛情を感じた」。受講した廣井勇と同じ高知出身の山下栄(69)さんは、「小樽に来て、廣井勇のことを知り、興味があってこの講座を受けた。知らない一面を知ることが出来た。ぜひ地元の友達に教えてあげたい」と話していた。
3回の講座を開講する「博物館ゼミナール 小樽学」は、3月19日(日)と26日(日)10:30~12:00。受講無料。予約希望などの問合せは、0134-22-1258 小樽市博物館。