小樽駅前にある小樽中央市場(稲穂3)に、北海道で初めてカカオを72%使用したビターチョコレートを販売する、チョコ専門店「沙羅衣」が2月1日(水)からオープンしている。
オープンしたチョコ専門店「沙羅衣」は、札幌で企画開発会社「紗羅衣コーポレーション」を経営する、畑野天秋代表取締役の個人店。3棟が連なる中央市場の駅よりの第3棟内で、同社が製造するビターチョコレートを主に販売している。
畑野さんが、ビターチョコレートを製造するきっかけとなったのは、九州の百貨店での「北海道のバレンタイン」という企画のため。道内から数多くのチョコレートを集めたが、カカオを70%含んだビターチョコレートは見つけられず、「見つけられないのなら自分で作ってしまえ」と、開発に取り掛かったという。
チョコレートが好きな畑野さんがこだわったのは、カカオ70%以上のビターチョコレート。しかし、カカオ70%を含むチョコは苦いため、カカオ選びからこだわり、ガーナ産の高品質なものを選んだ。砂糖の加減も綿密に調整し、「砂糖の量を少なくしたから、チョコレートが好きだけど、体質や健康を気にしている人におすすめ出来る」と、苦いだけではなくマイルドで身体にやさしいビターチョコレートとなった。
この北海道で初めて販売されている、カカオを72%含んだビターチョコレートは板チョコとなっており、140g(683円・税込)と110g(525円・税込)の2種類で、「少し高値になるけれど、食べてもらえばその良さを分かってもらえる」という畑野さんの自信作。自分でデッサンした銭形アザラシ、蝦夷オゴショ・モモンガ・リスを描いた4種類のパッケージとなっている。
中央市場に新たなテナントが登場したのは2005年5月以来のこと。「昭和30年代には50店以上の小売卸店舗が営業していた中央市場だが、大型スーパーなどの進出で、現在では20店舗と少なくなってしまった。お菓子屋や雑貨屋、珍味屋はこれまでもあったが、チョコレートの専門店は初めてだ。こういう展開もおもしろいと思う」(小樽中央市場協同組合・佃総務)と、中央市場の初のチョコ専門店に期待を寄せている。
北海道初のこのビターチョコレートは、小樽市内の中央市場の限定販売で、全国の百貨店などの物産店のみ販売される。畑野さんが「沙羅衣」のオープンに中央市場を選んだのは、「幼少の頃の両親が商売していた場所が、砂川市の中央市場だったから、“中央市場”という名前に愛着があったからなんだ。そして小樽の市場から、この板チョコが広がってくれれば」という。営業時間は11:00~17:00、日曜定休。