小樽商業高等学校(緑3・新山俊彦校長)では、昨年(2013年)12月に実施された経済産業省認定の国家試験「情報処理技術者試験・ITパスポート試験」に、情報処理科3年生の伊藤詩織・長谷川舞・工藤裕実子さんの3名が、一度の挑戦で見事合格を果たした。
同校コンピュータ部の1年生が、2013年1月の受験で合格したが、授業の一環として受験し、合格したのは、同校では3年ぶりとなり、学校関係者を喜ばせている。
経済産業省が主催する「ITパスポート試験」は、2009年の春試験から開催され、IT技術者としての知識やスキルの習得度合いを認定する国家資格。
コンピュータシステムやサーバに関する知識が求められ、パソコン技術を問う試験ではなく、情報処理技術を問う試験となる。昨年度から、CBT(Computer Based Testing:試験に関するすべてのプロセスをコンピュータ化している)の試験形式で、100問を165分間で解き、正解率60%以上で合格となる。
出題内容は広範囲に渡り難易度が高く、過去問題の勉強が通用せず、応用力が求められ、受験生は、授業のほか家庭学習にも励み、努力を積み重ね今回の結果へと繋がった。
伊藤さんは、合格の喜びを「自信はあまりなかったが、合格して嬉しかった。この資格を生かして頑張りたい」と話し、長谷川さんは、「難しくて受からなかったらどうしようと不安だった。試験終了後に、その場で、ボタンひとつで大体の試験の出来具合を知ることができ、ボタンを押す手が震えた。情報処理系の大学へ進学するので、これを基盤としてもっと上へ行けたらと思う」と話した。
また、事務系に就職が決まった工藤さんは、「勉強が難しく、3年間の集大成として受験した。合格発表をパソコンで見て嬉しかった。いろいろな人からおめでとうと言われ、1回の挑戦で合格できて良かった」と話した。
同校情報処理科担当の奥原祥教諭は、「4月から何ヶ月も継続して勉強し、今回の結果に繋がった。社会に出た時に継続力や踏ん張れる力となる。自分自身が本気で噛みついて勉強したと思う。今回の合格は、クラブ活動でもなく、授業のみで3名の合格者が出たことで、2年生へ強い影響力を及ぼした。社会人では、エンジニアやプログラマーが受ける試験で、社会に出て戦える武器を身につけさせたい」と話した。
2013(平成25)年度12月のITパスポート試験の結果は、社会人IT系では合格率55.1%。非IT系では59.9%。高校生は、受験者1,297人、合格者260人で合格率20.0%だった。
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