小樽市立西陵中学校(名取俊晴校長・富岡2)では、2月6日(木)、筝(こと)や三味線の専門家を講師に招き、同校4階音楽室で筝の授業が開かれた。この日は、午前中に3年生全員が、5・6時間目に1年2組25名が授業を受けた。
中学校3年間の音楽の授業の中で、和楽器による授業が実施されることとなり、同校からの依頼で、小樽市教育支援活動推進事業運営委員会に登録している学校支援ボランティアの大林雅朋さん(生田流)と田辺勢貴(せき)さん(山田流)が、今回の授業を担当した。
同校では、1月29日(水)に、1年1組と2年生全員が授業を受け、全校生徒178名が筝の演奏を体験した。
音楽担当の青木教諭が、学校にある文化筝を使い、あらかじめ爪の付け方や指導を行ったため、スムーズに授業が進んだ。2時間の授業の中で、「さくらさくら」を演奏できることを目標に、生徒達は熱心に取り組んできた。2名の生徒で1面(めん)の筝を交代で使用した。
はじめに、大林さんと青木先生が筝で、田辺さんが三味線で、「さくらさくら」を模範演奏した。筝と三味線の日本の伝統楽器の音色が教室に広がった。
その後、生田流と山田流の違いを説明。筝を弾くための正しい座り方を指導し、実際に筝に触れ、音を出した。次に、「さくらさくら」の楽譜の読み方を学び、交代で練習を開始した。講師や教師が生徒を回り、丁寧に指導した。はじめは、おぼつかなかった手の動きが、練習を重ねる内にスムーズに弾けるようになっていった。休憩時間も筝の前を離れず、練習している生徒も多かった。
青木教諭は「積極的に授業に参加し、みんな一生懸命で、楽しそうに筝を弾いている。日本の文化に触れることを大事にしている。充実した時間となり、次に繋がると思う。事前に、学校にある文化筝で練習し、今回、本物を触ることができ、生徒達は感激している様子」と話した。
6時間目は、講師の名前の「雅号(がごう)」について、資格を取ると、自分の先生から1字をもらい、名前をつけてもらう伝統があると説明した。ピアノと筝で「花は咲く」が演奏され、生徒達は耳を傾けていた。
次に、筝の演奏方法の「トレモロ」「グリッサンド(サーラリン)」について指導し、今回、この2つの奏法も使えるように練習した。講師の筝と三味線、生徒達の筝で、「さくらさくら」を合奏し、熱心に取り組んだ成果を発揮していた。
1年2組の岩松千紘さんは「思ったより難しかったが、楽しかった。筝の音は、弦をはじく度合いで変わる」と話し、永井香紗音さんは、「初めて筝を弾き楽しい。音が綺麗で、押さえ方によって音が変わりやすく難しかった」と話した。