第4回定例会一般質問 カジノ誘致などで質疑


 小樽市議会第4回定例会の一般質問が、12月11日(火)13:00から、本会議場で行われた。一般質問には、秋元智憲(公明)・成田佑樹(一新小樽)・酒井隆行(自民)・林下孤芳(民主・市民連合)・川畑正美(共産)・新谷とし(共産)・安齋哲也(一新小樽)の7議員が立った。
 この中で、秋元議員は、長期化している不登校やひきこもりについて、本市の過去3年間の不登校数や小樽でのひきこもり世帯数、調査の予算、地元団体との連携など質問。
1211council.jpg 市長は「心の相談から施設を紹介した人の状況把握では、全件については、把握していない。必要に応じて状況を確認している。地元団体との連携では、小樽市保健所の精神保健福祉事業の社会復帰支援家族支援事業として、平成16年4月から開始した子どものひきこもりを考えるセミナー参加者が中心となり、平成17年4月に結成した小樽不登校ひきこもり家族交流会を設立。当初から継続支援している。支援内容は、活動の会場として保健所を活用し、年6回、保健所主催の家族セミナーを行い、学習の機会を設けている。活動の周知啓発を行い、最大限に協力している」と回答した。
 また、教育長は「平成22年度から24年度の文部科学省の調査における本市の状況は、不登校者数は、平成22年度小学生9名・中学生81名、23年度は小学生10名・中学生64名。24年度小学生6名・中学生52名。指導結果、学校に通えるようになった児童生徒数は、平成22年度小学生2名・中学生10名、23年度小学生3名・中学生20名、24年度小学生1名・中学生6名となる。調査予算については、毎年、不登校調査を実施しており、改めて行うことは考えていない。市民に対しひきこもり調査を行う時は、できるだけ協力した。予算の範囲内で可能」と回答した。
 さらに、孤立死についての防止対策や今後の連絡体制についての質問に、市長は「孤立死の件数は、孤立死には定義がなく数値はない。また、小樽市の対策では、平成21年に高齢者見守りネットワークを立ち上げた。心臓が止まっていたり、しばらく姿が見えないなどの通報により、未然に孤独死を防げたケースはあるが、普段からの見守りについては依然として課題となる。関係機関、団体と協議し、連携方法等について検討する」と答弁した。
 成田議員は、カジノ誘致について、カジノはギャンブルであり、市内で開催の大会や修学旅行者などが減少するのでは、メリット、デメリットの検証方法、市民への説明方法について質問。
 市長は「メリットとデメリットの検証方法は、カジノを有する犯罪発生の推移は、シンガポールの犯罪白書によると、人口10万人あたりの犯罪発生件数は、設置前の2009年は665件、設置された2010年は653件、設置後の2011年は608件、2012年は582件と推移している。カジノ開設により、修学旅行生への影響を現段階では把握できないが、本市においては、修学旅行生に影響が出ないよう取り組みたい。メリットとして、固定資産税や法人市民税の収入の他、IR推進法案によると、地方公共団体の納付金と入場料の一部を徴収できる。
 次に、マフィアとの関係は、現在、世界の先進的な国や地域では、反社会的組織を排除する対策として、厳格なライセンス制度を採用し、制度を採用していないマカオなどの一部の地域では、反社会的組織を防止できていない。市民への周知は、IR推進法が成立したあと説明し、メリット、デメリットなどについて、市民対象の説明会を開催したい」と答弁した。
 成田議員は「分からない回答が多く、分からないままなぜ推進するのか、市民も不安になる。ぜひ、デメリットも調べ、市民の判断を仰いでもらいたい」と強調した。市長は「法案ができていない段階で、どのようになるか分からないので説明できない。問題を法律の中で整理することが大事。IR法がプラスになるよう国会でも議論してもらいたい。社交場として楽しめるような施設となるよう期待している」と答弁した。
 林下議員は、婚姻歴のないひとり親家庭の母(父)を税法上の「寡婦(夫)」とみなし、社会的に弱い立場の親子の支援に踏み切ることは、市長の決断であり、議会の責任でもあると考える。小樽市の厳しい財政を踏まえたとしても、できることが必ずあると思うと、市長の見解を求めた。
 市長は「みなし適応についての見解では、ひとり親家庭に対する寡婦控除のあり方は、もともと、税制上規定されており、全国的に同一の対応が図られることが望ましいと認識。寡婦控除についても、今後の国の動きを注視したい。保育料や市営住宅家賃については、保育料は、所得税はみなし適応により非課税となり、市民税は、非課税範囲の所得額に該当するため、保育料は無料となる。みなし適応のない本来の保育料は月額23,500円となる。市営住宅の家賃では、同じ条件であれば、最低区分の家賃となり、みなし適応を行っても変わりはない」と答弁した。
 林下議員は再質問で「市長は、再び、国の動向を見守ると判断を示したと理解した。国の動きは鈍く、社会的に弱い立場に置かれ、貧困率も高いと指摘され、緊急性は高い。例え、対象者が10人程度であったとしても、小樽市の財政にそれほど大きな負担をかけることはないと考える。小樽市で親子が孤立死をするような痛ましい事故が起こる前に、市長の決断をお願いしたい」と述べた。
 市長は「寡婦の問題は、税制上の問題であり、全国的に同一の内容であるべき。財政負担が小さいから良いとかの問題ではない、婚外子に関わる最高裁の決定も出た。一時より、スピード感のある対応になってきた」と答弁した。