黒澤明監督“乱”の大看板やのぼりが迎えてくれる、小樽文学館の企画展「小樽・映画館の時代」(2/2~4/2)が、かつての映画館の街小樽を浮かび上らせている。
2月2日(木)から始まった「小樽・映画館の時代」展は、会場がカラフルな看板やのぼり、ポスターで囲まれ、この一角だけが、かつて華やかだった映画館の街小樽の世界を現出させている。
懐かしいかつての映画館スカラ座の様子も再現され、ポスター類やパンフレット・チラシ、前売券・割引券、映画本・雑誌などがずらりと並ぶ。実際に使用されていた映写機や、閉館で解体された時の小樽中央劇場の壁とタイルなどの珍品もある。
会場を一巡すると、一挙にかつての映画館の時代に引き込まれ、夢とロマンに酔った頃の青春が甦る。
この企画展に協力し、資料の大部分を提出したのは、市内の映画館4館に映写技師として勤めた下田修一さん。「私が映画館に勤めた頃は、映画産業の最悪期で給料も安かった。集めた資料を展示したいと思っていたが、今回こんな形で一堂に展示され、本当にうれしい」と、下田さんが25年間かけて集めた、当時の貴重な資料が提供されている。下田さんは ネット上に「夢ぶんの1」という映画サイトをアップしており、その中の小樽シネマ博物館も興味深いサイトに仕上がっている。
玉川薫副館長は、「小樽は札幌より早く常設館ができ、新しい映画に飛びついていった街で、映画館の時代の移り変わりをこの展示から汲み取って頂ければありがたい」と話す。
文学館は、雪あかりの路の旧手宮会場に隣接しているだけに、同館では、雪あかり期間中での入館者に期待を寄せている。
「小樽・映画館の時代」は、2月2日(木)から4月2日(日)まで。9:30~17:00。
入場料:一般300円、高校生・市内在住の70歳以上150円、中学生以下無料。