聖ヶ丘と呼ばれる入船の高台に位置する学校法人共育の森学園(入船4・田村宣征理事長)では、11月2日(土)13:30から、3階会議室で、ミニトークが開催された。
小樽出身の写真愛好家・織田健嗣氏が講師を務め、「写真と私」と題して、クマゲラ・フクロウ・リスなどの動植物の写真を見ながら、撮影の楽しみや苦労話を語り、札幌、小樽から20名が参加した。
同学園は、5年前に閉校した小樽短大を利用し、地下1階・地上4階の施設の活用法を模索してきた。小樽のパノラマを望める4階ホール、小樽ゆかりのアーティスト・高橋好子さんと加藤清江さんの絵画、佐藤聖一さんの写真などを常設展示し、公開している。また、同学園内の図書館には、7万冊の蔵書があり、火曜日と水曜日に開館し、誰もが利用できる。同施設を多くの人が知り利用してもらおうと、年に数回、講演会などを開催しており、、今回のミニトークもその一環。
織田氏は、小樽出身で、高校生から写真を始め、現在は札幌に住み、自宅近くの円山を拠点に、動植物の写真を撮り続けている写真愛好家。
今回のミニトークでは、円山、真駒内、モエレ沼などで撮影した動植物約80枚の写真をスライドで紹介。絶滅危惧種のオジロワシやオオアカゲラの珍しい鳥達などを捉え、撮影する楽しみや苦労話を交えて紹介した。
撮影拠点としている円山は札幌中央区にあり、標高225mの山で、市民の行楽の場所。そこでは、クマゲラ、ヤマゲラなど珍しい鳥や渡り鳥や花々など、写真の被写体としては困らない山であると話した。今回紹介する写真の80%が円山で撮影した写真で、天気や時間を見計らい光をコントロールして撮影している。
最初に、数年前話題となった小樽なえぼ公園のクマゲラの写真を紹介し、その後、数少ないオオアカゲラなども撮影している。保護色のため見つけずらいエゾフクロウが、2羽のカケスに威嚇されている場面に遭遇し写真に収めている。
上空に飛んでいる鳥達の撮影にも挑戦し、鵡川町の漁港でコミミズクやオジロワシを撮影。オジロワシは天然記念物で絶滅危惧種。古平町や余市町でも見ることができるという。
マイナス12度の鵡川町でのハヤブサなど、厳しい条件の中での撮影。バードウオッチングの憧れの的、真駒内の公園でカワセミに遭遇、魚を加えたナイスショット写真は、5時間待った甲斐があったそうだ。
また、宮島沼(美唄市)では、7万羽のマガンに遭遇し、迫力ある写真となった。。宮島沼水鳥・湿地センターHPの「宮島沼日記」の情報で、飛来状況を確認して出かけ、またとない光景を写真に収めている。
円山の珍しい花々も紹介。エゾスズランや、エゾエンゴサク、キバナカタクリ、シラネアオイ、ヒトリシズカなど、可憐な植物が多い。
最後に、小樽運河や小樽市総合博物館、旧日本郵船、北防波堤の日の出など、小樽の風景写真で締めくくった。
参加者は、「ものすごいタイミングで、撮影には時間がかかっていると思い感心した。花々などの写真も良かった。自宅での庭で花々を楽しんだり、巣箱を木につけて楽しんでいるが、写真を撮ることは難しい。とても楽しい話だった」と満足した様子だった。
◎教育の森学園HP