平成25年度第64回小樽市文化祭は、市立小樽美術館(色内1)を会場に、9月26日(木)の美術市展・盆栽展を皮切りに、1ヶ月以上にわたり開かれ、現在、同文化祭の終盤を飾る菊花展と写真市展が開催中だ。
10月30日(水)から、第58回菊花展が、同館1階多目的ギャラリーで開かれ、小樽潮陵菊の会(本間千尋会長)の会員10名による162点を展示し、日本を代表する菊花を多くの市民が鑑賞した。
市長賞には、高沢武二さんの種別「大輪三本立盆養」作品名「精興右近(せいこううこん)」が栄誉に輝いた。 第58回菊花展受賞者一覧
小樽潮陵菊の会は、1956(昭和31)年、潮見台地区の住民が結成し、当時95人の会員で賑わった。同文化祭で菊花展を開催してきたが、現在、60歳から90歳までの10名の会員となり、高齢化や時代の流れで後継者が育たないなど、会員で協議した結果、今年度で解散することとし、58年間の幕を閉じることとなった。最後の菊花展となり、会員も感慨深い作品展となった。
菊花を育てるには大変な苦労があり、温度や水、薬剤の散布や肥料の与え方など、7月末から8月初めには、花から目が離せないという。そんな苦労の甲斐があって、菊花展では、見事な花を咲かせている。
菊花には、「天・地・人」を基本の花型とし、様々な規定がある。下から花首まで70cmのものや40cmなど、その規定に合わせ丹精込めて育て、この文化祭を目標に育てている人も多く、今年度が最後となり、今後は、観賞用として育てるだけで張り合いが無くなるという会員の声も。
同会本間会長は、「市長賞を受賞した花は、形が整い、規則に則った素晴らしい作品。昨年は異常気象で80%の出来だったが、今年は、全体的に100%を越えた出来具合で、会の解散に花を添えた。多くの市民に集大成を見てもらいたい」と話した。
三本立や数本仕立、大輪一本立など種類も様々で、作品名には、「国華真紅(こっかしんく)」や「国華聖者(こっかせいじゃ)」「華厳の滝(けごんのたき)」など菊の花の名前が付いている。10月30日(水)の審査の日に、最高の状態で出展できるよう、会員の腕の見せ所となった。
10月31日(木)からは、同館1階市民ギャラリーを会場に、第21回写真市展を開催。第1部(自由)の入賞5点と入選28点と第2部(自然や風景、野生動植物)入賞5点と入選27点の計65点を展示している。小樽市写真市展運営委員会(川原静雄委員長)と小樽市文化祭実行委員会の主催。
市内在住者を対象に応募を募り、作品は、A4と四つ切サイズで何枚でも応募可能。第1部には33人の151点、第2部には28人の100点の計34人・251点の応募があったが、昨年より30枚ほど少なかった。その中から、10月5日(土)14:00から、生涯学習プラザ「レピオ」(富岡1)で、日本写真家協会の石津聡氏が審査員を務め、応募者が見守る中、厳選なる審査が行われた。結果をについて、石津審査員による講評会があり、今後の撮影の参考にしている。
今回の入賞者は、第1部推薦「市長賞」は中町栄次郎さんの「光射す」が受賞。小樽市役所本館の2階で、日の光と人物を上手く捉えた作品。第2部ネイチャーの推薦「市展賞」は、鹿戸芳之さんの「一瞬」が受賞。鹿戸さんは、昨年第1部(自由)で推薦「市展賞」、一昨年は第2部ネイチャー推薦「市展賞」を受賞している。鹿戸さんは市展等の常連で、道展をはじめ数々のコンテストで受賞している実力者。今回の写真は、蓮の葉に雨が徐々に溜まり、重くなり葉が傾き水がこぼれるまさにタイトルどおりの「一瞬」を撮影している。 第21回写真市展受賞者一覧
会場当番の武内伸一さんは、「市民限定の写真愛好家の四季折々の風景や自然、人物を捉えた写真の数々を、この機会に多くの人に見てもらいたい」と話した。
写真を鑑賞していた女性は、「素晴らしい。良く捉えている。カタクリとエゾエンゴサクを写した入賞の『春の妖精』が綺麗で印象的。紅葉の葉も綺麗に撮影している」と話した。
写真市展表彰式は、11月2日(土)14:00から同館1階研修室で、菊花展表彰式は、11月3日(日)11:00から同館1階ミーティングルームで開かれる。
菊花展と写真市展は、文化祭最終日の11月3日(日)までの10:00〜17:00(最終日16:00)。